アイリーク カスク・ストレングスと無印の違いを飲み比べた

2019年7月13日

  • アイリーク(無印、ノーマル)
  • アイリーク・カスクストレングス
  • (比較対象としてラガヴーリン16年)

この2つのスコッチウイスキーを飲み比べてみました。

概要

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
アイリークスコットランドアイラスコッチ・ウイスキー40%700 mlシングルモルト
アイリーク・カスクストレングススコットランドアイラスコッチ・ウイスキー58%700 mlシングルモルト

アイリークの中身は若いラフロイグかラガヴーリン

このウイスキーは、瓶詰めはザ・ハイランズ&アイランズ スコッチカンパニーですが、所有権の問題からどこの蒸留所で製造されたウイスキーが使用されているかが明かされていません。

ラフロイグかラガヴーリンの若いものではないかと言われているシロモノです。

ileachの読み方

ILEACHとは、現地語でアイラ島民を意味します。アイリークは発音がいくつかあります。

  • アイリーク
  • イーラッハ
  • ジ イリャック

Google翻訳で調べてみました。

  • 英語だとアイリーク(アイリーチ)
  • ドイツ語だとイーリャッハ(イーラッハ)
  • アイスランド語やデンマーク語だとイーリャク
  • ウェールズ語だとイリヤッハ

でもスコットランド・ゲール語は発音が載っていなかった・・・。地理的にはウェールズ語と似てると思うんですけどね。

無印のアイリーク

苦味が強い。ピート香はかなりあります。でも味のベースが弱くて少し上ずったような味という印象を受けました。

バニラやナッツっぽい風味はほんのりとしますが、ちょっと弱い気がします。

他のスコッチでいうと、タリスカー12年と似てるでしょうか。クセの強さだけでいうと、ラフロイグよりタリスカーのほうが少しクセは控えめだと感じますけど、アイリークは更にその延長線上にあるイメージ。ピート香自体は強いけど全体として味のクセは弱いイメージ。

大抵、ウイスキーは加水すると香りや特徴が強く現れます(「開く」と呼ばれる現象)。1割からトゥワイスアップまで徐々に加水して試しましたが、これについてはあまり感じませんでした。

この銘柄はラフロイグかラガヴーリンの若いやつだと言われていますが、その2つほどのフィニッシュの余韻の強さは感じられません。(若いせいかな?)

正直、この時点で「この銘柄はハズレかなー」と思ったんですけど、案外そうでもありませんでした。(後述)

フタがぽろっ

ちなみに開封時、コルクキャップの被せが取れました・・・こういうのちゃんとして~~!

コルクキャップの被せが取れた

アイリーク カスクストレングス

無印のアイリークと比べると、色はほぼ一緒。見分けがつかないくらいです。

バニラ、ナッツのような風味は無印のアイリークに比べて結構強いです。これは58%というアルコール度数の強さを差し引いてもそう感じますね。テクスチャー、滑らかさは若干良いかな?というくらい。とりわけ良いわけでもありません。

加水した時の開きはこちらのほうが強く感じられます。

ボトルデザインもそっくり

ここはもうちょっと工夫を凝らしてほしいところですね。

スペシャル感が欲しいというのもあるし、単純に見分けがつかないので紛らわしいというのもあります。

アイリーク無印とカスク・ストレングスのボトル

もし店頭で購入する際は、表と裏のラベルにあるアルコール度数の「40%」と「58%」という数字か、表ラベル最下段の「The true taste of islay(無印)」、「Cask strength(カスクストレングス)」の文字で判別してください。

ラガヴーリン16年とアイリーク カスク・ストレングスを飲み比べた

ラガヴーリン16年とアイリーク カスク・ストレングス

ラフロイグは切らして手元に無かったのですが、ラガヴーリン16年がまだ残っていたので飲み比べてみました。

ラフロイグかラガヴーリンの若いやつだと言われているだけあって、確かに雰囲気としてはかなり似ています。でも、似ているけど、どこか違う。

まずテクスチャー。舌触り、滑らかさはラガヴーリン16年のほうが数段上です。これはもう口の中に入れた瞬間に感じます。そしてアイリーク カスクストレングスには、口の中に広がるに連れてアルコールのトゲが強く感じられます。

フィニッシュ。ラガヴーリンは甘く膨よかな香りで、鼻や口に残る複雑な香りをいつまでも嗅いでいたと思わせます。一方のアイリーク カスクストレングスは、香りは強くとどまりますが少し単調で、それをずっと味わっていたいとまでは思いません。そして苦味、渋みがちょっとクドい。

たぶん私も、単品でアイリークを飲んでいればそれなりに余韻を楽しむのでしょうけど、すぐ横にラガヴーリンがあると、ついついそっちでお口直しをしたくなってしまいました。

組み合わせ次第で楽しみ方は色々

上記では結構辛口な評価をしました。じゃあ別のウイスキーを買うべきかというと・・・それも1つの方法でしょうけど、私はどちらの銘柄も色々な楽しみ方ができるウイスキーだと感じました。

例えば最近 私がドハマリしてるジン。
ジンをポタポタっとほんの少し垂らすだけで、全然違う表情を見せてくれました。実に面白い。香りも豊かになるし、味もグッと濃くなったように感じます。

ボッテガ バクール ジンとの相性は、悪くはないけどイマイチ。ヘンドリックスジンを多めに入れるとラフロイグ感が強くなりましたが、柑橘系がちょっと入っているのでフィニッシュで柑橘系がうるさい。

色々試しましたが、クセの弱いスッキリ系のジンとかなり相性が良いですね。例えば次のような銘柄。

このお酒は、こういう楽しみ方に付けるかどうかでだいぶ印象が変わるのではないでしょうか。

これは、苦味とピート香が前面に強くて出ていて味がシンプルだからこそだと思うんです。これで逆に、味に極端なクセがあったらたぶん他のお酒との組み合わせは難しいと思うし、相性の良いお酒はもっと限られるかもしれません。

ブレンダーが色々考えて作った味に違う酒を足すのも少し抵抗はありますけど、それを重んじる余りにお酒を楽しめないのは宗教じみてるし本末転倒だと思うんですよね。