ザ・ボタニスト(ブルックラディのジン)の味の評価!31種類ものボニタカル使用

2018年10月23日

アイラ島で生産されているブルックラディのザ ボタニストというドライ・ジン(botanist islay dry gin)を入手しました。試飲、飲み比べをした記録をここに残します。

概要

ザ ボタニスト

日本語のメーカー公式ページ。

THE BOTANIST

英語のメーカー公式ページ。

概要
名前メーカー原産国導入度数香り
ザ ボタニストブルックラディ蒸留所(レミーコアントロー)スコットランド無色透明(クイックシルバー)2011年46度控えめな薬草

アイラ島というと、ラフロイグやラガヴーリンなど、私も大好きなスモーキーフレーバーのスコッチウイスキーを生産していることで有名な島です。そしてブルイックラディ(ブルックラディ)もスコッチウイスキーを製造している蒸留所の1つです。

英語のwikipediaによると、これはアイラ島で作られている2銘柄のジンのうちの1銘柄です。でもブルイックラディの公式ページではアイラ島初にして唯一のドライジンと謳っています。どっちが本当なんでしょう?

アイラ島にある2つのジン蒸溜所

調べてみると、確かに2つあるようです。
ひとつはBRUICHLADDICHで、もうひとつNERABUS ISLAY GINというのも存在します。アイラ島の中でも、ラフロイグやラガヴーリンの蒸留所がある南東側ではなく、南西側にネラバスというところがあります。

BRUICHLADDICH

アイラ島初にして唯一のドライジン

Islay Gin Ltd

Islay Gin Ltd, which is a private family-owned Scottish business, is the first and only company solely dedicated to producing Gin on the Hebridean Isle of Islay.

(Islay Gin Ltdは、個人経営・家族経営のスコットランド企業で、ヘブリディーン諸島にあるアイラ島でジンを唯一輩出した初めての会社です。)

購入できるショップはエディンバラ(イギリス本島)が紹介されています。でも問い合わせのメールもGmailですし、かなりこじんまりと、本当に家族で製造しているようですね。

えーっと・・・どっちも言ってることが一緒や・・・言ったもん勝ち、みたいな?BRUICHLADDICHのジンが2011年で結構最近なのに対して、Islay Gin Ltdは不明です。
結局どっちが先かはわかりませんが、BRUICHLADDICHは規模がある企業なので、知名度を活かして「唯一にして初」と言い切ってしまえば勝てませんよね・・・。

現地のイギリスより安い

英語版の公式ページに載っている参考小売価格は£34.00(日本円で約5000円)、私が購入した当時の価格は2944円です。(税別)
海外輸入品って大抵価格が高くなる、特に円安だとその煽りをモロに受けるという印象が強いのですが、現地と同じくらいだったり、時には安かったりするんですよね。イギリスのamazonだと£25.00(3,655 円)でした。(£1.00=146.21 円で算出)

31種類のボタニカルズの内訳

ザ・ボタニストには合計で31種類のボタニカルズが使用されています。なんとも贅沢ですね。

その内訳は、ジンの原料として伝統的な9種類のコア・ボタニカルズに加えて、手摘みで収穫したアイラ島に自生する22種類の野生のボタニカルズです。
代表的なボタニカルであるジュニパーベリーも使われていますが、味や香りとして存在感は強くありません。これは他の銘柄のジンと大きく違う点です。

アイラ島で採取された希少な22種類のボタニカル
アイラ島で採取された希少な22種類のボタニカル
No.学名英名和名
01ARTEMISIA VULGARISMUGWORTヨモギ
02BETETULA PUBESCENSDOWNY BIRCHヨーロッパダケカンバ
03CALLUNA VULGARISHEATHERヒース
04CHAMAEMELUM NOBILECHAMOMILEカモミール
05CIRSIUM ARVENSECREEPING THISTLEヨーロッパアザミ
06CRATAEGUS MONOGYNAHAWTHORNサンザシ
07FILIPENDULA ULMARIAMEADOW SWEETシモツケソウ(西洋ナツユキソウ)
08GALIUM VERUMLADIES BEDSTRAW河原松葉
09JUNIPERUS COMMUNISJUNIPERアイラ島産 野生のジュニパー
10MELISSA OFFICINALISLEMON BALMレモンバーム
11MENTHA AQUATICAWATER MINTウォーターミント(沼薄荷)
12MENTHA SPICATASPEAR MINTスペアミント
13MENTHA X VILLOSAAPPLE MINTアップルミント
14MYRICA GALESWEET GAKE OR BOG MYRTLEヤチヤナギ
15MYRRHIS ODORATASWEET CICELY藪人参
16SAMBUCUS NIGRAELDERニワトコ
17TANACETUM VULGARETANSYヨモギギク
18TEUCRIUM SCORODONIAWOOD SAGEウッドセージ
19THYMUS POLYTRICHUSWILD THYME野生のタイム
20TRIFOLIUM PRATENSERED CLOVERアカツメクサ
21TRIFOLIUM REPENSWHITE CLOVERシロツメクサ
22ULEX EUROPAEUSGORSE WHINハリエニシダ
9種類のコア・ボタニカル
9種類のコア・ボタニカル
No.学名英名和名
01(23)ANGELICA SYLVESTRISANGELICA ROOTアンジェリカの根
02(24)CINNAMOMUM AROMATICUMCASSIA BARKカシア(桂皮、トンキンニッケイの樹皮)
03(25)CINNAMOMUM VERUMCINNAMON BARKシナモン(セイロンニッケイの樹皮)
04(26)CORIANDRUM STIVUMCORIANDER SEEDコリアンダー
05(27)JUNIPERUS COMMUNISJUNIPER BERRIESジュニパーベリー
06(28)CITRUS LIMONSLEMON PEELレモンピール
07(29)GLYCYRRHIZA GLABRALIQUORICE ROOTリコリスの根
08(30)CITRUS SINENSISORANGE PEELオレンジピール
09(31)IRIS GERMANICAORIS ROOTニオイイリスの根

学名は見慣れない文字列が多かったので、誤字があったらすみません。

味の総評

落ち着きのある淡麗

シップスミスや、タンカレー・ブルームズバリーなどと比べると鼻から抜ける香りが少し弱いです。これはシトラス系(柑橘類)のオレンジピール、レモンピールが控えめだから、あるいは他のボタニカルが勝っているからでしょうか。

でも味は他の銘柄よりもかなり太くて濃いですし、テクスチャー(舌触り、まろやかさ)がまろやかです。そしてどっしりとしています。
非常に落ち着いていて飲みやすい上品な味をしています。色んなボタニカルズが渾然一体となって調和している、大人の味って感じです。

ベースにトウモロコシやジャガイモ等があまり使われていないんでしょうか?わかりませんが、余韻にはお米のような穀物の風味を強く感じるので、全部、あるいは多くの大麦が使われているんじゃないかなぁと感じますね。その比率について調べてみましたがわかりませんでした。

これはウイスキーでもジンでもウォッカでも同じことが言えます。イモやトウモロコシで作る酒より、大麦や小麦で作った酒のほうが個性、香り、味が強くて美味しくなります。

常にキープしたい銘柄

このザ・ボタニストは本当に美味しいです。私が飲んできた十数種類のジンの中でもトップクラスの美味しさです。特にマティーニで使いたい銘柄として推薦したいですね。

3000円前後のジンの飲み比べについては下記リンクで紹介しています。よかったら併せてお読みください。