GLENLIVET(グレンリベット)12年の味と評価

2019年3月3日

スペイサイド地方のローゼス(ロセス, Rothes)で生産されているスコッチウイスキー、グレンリベット12年を飲みました。

概要

グレンリベット12年

メーカー公式ページ。

THE GLENLIVET

輸入元のペルノ・リカール・ジャパンの公式ページ。

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
グレンリベット12年スコットランドスペイサイド(リベット)スコッチ・ウイスキー40%700 ml12年シングルモルト
スペイサイド地方

スコッチランドのうち、北部の山岳地帯ハイランドの中東部の地域を指す。
グレングラント、グレンリベット、マッカラン、ストラスアイラなどの蒸留所がある地域。

(スコッチウイスキーの生産地を6つに分類した地理はこちらを参照してください。)

世界的な人気

シェアは、シングルモルト・ウイスキーとしてはアメリカで1位、イギリスでは4位(シェア7%)という人気ぶりです。
世界シェアでも2014年までは2位(1位はグレンフィディック)でしたが、2015年から1位です。

テイスティングと評価

テクスチャーはそこまで良くないが香りは一際強い

グレンドロナック12年やグレングラント10年とも同時に飲み比べたのですが、鼻に抜ける刺激が強い。若い酒のツーンと来る感じが少し強いです。でも同時に、鼻に抜ける香りが強いのも このグレンリベットでした。

フルーティーで、微かにスモーキーな香り

謳い文句にはこうあります。ザ・グレンリベット特有のバニラ、はちみつの甘さを伴う芳醇でソフトな風味。でも個人的にはそこまで同意できません。どちらかというとほんのり辛口だと感じるからです。

香りについてはトロピカルフルーツや花の香り、夏の草原を想わせる香りがエレガントに調和。といっています。トロピカルフルーツの香りというのは少し分かる気がします。

また、グレンドロナック12年と比べてみると、少しドライでリンゴの果実のような微かな酸味と爽やかな香りを感じます。一方グレンドロナック12年は奥ゆかしい落ち着いた風味です。もう匂いを嗅いだ時点から2つの味の違いを思わせます。

ラガヴーリン16年とも飲み比べてみました。比べるもなくかなりタイプの違う両者ですが、グレンリベットにもほのかにスモーキーフレーバーが感じられました。ちなみに、この2つを同時の飲んだ時のフィニッシュ、余韻はあまり良いものではありませんでした。

ドライな味わいで料理と合う

少しだけスパイシーで辛口なので、メーカーが言っている通り、Seared scallops(ホタテのバター焼き)などの料理と合います。それに限らず、フルーツやデザートよりも料理と合う印象がありますね。

スコッチ入門として飲みやすい

甘過ぎもせず、臭過ぎもせず、色んなシーンに合わせやすいバランスのとれた風味で、入門用として飲みやすい味だと感じます。また、総合的にみてコストパフォーマンスもグレン・グラント10年並に高いと言えます。

グレンリヴェットの語源

グレンリヴェットの語源はスコットランド・ゲール語でGleann Lìobhait。

漫画『レモンハート』では「静かな谷」という意味だと云われています。

一方、Wikipediaによると、「liobh(つるつる、滑らかな)+ ait(場所)」、或いはゲール語初期やそれ以前の「水や血でいっぱい」という言葉が語源ではないかとされています。

箱やボトルの記述内容

箱やボトルの表書きや裏書きを要約した内容としてこんな具合です。

表書き

  • 1824年、ジョージ・スミスは蒸留所を設立。

  • 彼は決定的なシングルモルト・ウイスキーを作り上げるために最適な条件をここに見つけた。

  • 時代を超えて、渓谷を流れるリバー・リビット。

  • グレンリベットはスコットランド・ゲール語で「滑らかに流れるもの」を意味する。

以下は原文です。

In 1824, George Smith Established his distllery in the remote and WILD location of GLENLIVET.
Here, he found the perfect conditions to craft the definitive single malt whisky.

Through this timeless, primeval valley run the icy waters of The River Livet. Its name, “smooth flowing one" in Gaelic, reflects the Glenlivet’s beautifully rich and elegant flavours.

裏書き

  • 創業者のジョージ・スミスは、ここで最初に(政府公認の)ウイスキーを製造した。(これにより密造業者から反感を買い、ジョージ・スミスは護身用の銃を携帯するようになる。この銃はグレンリベット蒸留所に展示されている。)

  • 後に他の多くのメーカーも「グレンリベット」を名乗るようになったことを受け、彼は定冠詞を付けて「ザ・グレンリベット」と命名する。(定冠詞のTheは唯一無二を意味するから) 1884年、この名称に関する裁判で、この「ザ・グレンリベット」だけが「グレンリベット」という名称を名乗ることが出来るように法的合意がなされた。

以下は原文です。

High up in the remote area of Glenlivet, George Smith was the first to produce a whisky of such exceptional quality that it went on to define the taste of Speyside.

His definitive single malt inspired so many other distilleries to adopt the appellation ‘Glenlivet’, that it became known as the ‘longest Glen in Scotland’. In 1884 legal agreement was reached to distinguish Smith’s original whisky by referring to it exclusively as ‘The Glenlivet’.