ヘンドリクスジンの味と評価
スコットランドのジン、ヘンドリクスジン(ヘンドリックス・ジン)を飲みました。
もくじ
概要
- HENDRICK’S GIN
メーカー公式ページ。(英語ページ)
- HENDRICK’S GIN
メーカー公式ページ。(日本語ページ)
名前 | メーカー | 原産国 | 色 | 導入 | 度数 | 香り |
---|---|---|---|---|---|---|
HENDRICK’S GIN | ウィリアム・グラント&サンズ | スコットランド | 無色透明 | 1999年 | 41.4度/44度 | 落ち着いた香草 |
ヘンドリックスジンの歴史
ヘンドリックスの発祥はスコットランドの南西部のアイアーシャイアーにあるガーヴァンという海辺の小さな村のジン・パレスです。(Girvan Ayrshire, Scotland)
アイアーシャイアーはエアシア(エアーシア)と表記されていることがあります。
Gin PalaceとSaloon
- Gin Palace(ジン・パレス)
安酒場。
- Saloon(サルーン)
イギリスでの用法:パブの上客向きの席、特別席。
アメリカでの用法:大きなバー、酒場。
その他の用法:大広間、談話室、特別客席
元はフランス語のSalon(サロン)が語源。
2つのポットスティル
ヘンドリックスジンはウィリアムグラント&サンズ(William Grant & Sons)の製品で、1966年にウイリアム・グラント氏のひ孫チャールス・ゴードンが礎を築きました。
ヘンドリックスジンはカーターヘッドスティル(1948年建造)から作られた蒸留酒をブレンドして作られています。そのスティルの中には希少なものも含まれており、1860年製のベネット、サンズ&シアーズ社(Bennett, Sons & Shears)のスティルもあります。
カーターヘッド社とベネット社の2つのスティルは構造や蒸留方法が異なるため、かけあわせたジンは独特のスタイルを持っています。
使用されているボタニカルズ
ヘンドリックス・ジンには次の11種類のボタニカルが使用されていて、更にキュウリとバラの花びらという特異な2つ、合計で13種類のボタニカルが使用されています。
No. | 英名 | 和名 |
---|---|---|
01 | JUNIPER BERRIES | ジュニパーベリー |
02 | LEMON PEEL | レモンピール |
03 | ORANGE PEEL | オレンジピール |
04 | CHAMOMILE FLOWER | カモミールフラワー |
05 | ELDER FLOWER | セイヨウニワトコ(エルダーフラワー) |
06 | YARROW | セイヨウノコギリソウ(ヤロウ) |
07 | ANGELICA ROOT | アンジェリカの根 |
08 | CARAWAY SEED | キャラウェイシード |
09 | ORRIS ROOT | ニオイイリス(オリスの根) |
10 | CUBEB BERRIES | クベバベリー |
11 | CORIANDER SEED | コリアンダーシード |
総評
参考価格は700 mlで3000円。イギリスだと£25.00。
薬品用の瓶に似ている
ずんぐりむっくりな瓶で、色はまるで薬品用のような濃い青色をしています。しかもこの瓶は光にかざしても全く光が透けません。特殊な加工がしてあるのかと思えるほどです。
薬品用の瓶が濃い茶色なのは、紫外線をより多く吸収することで薬品が変質しないようにするための工夫です。この瓶に入ったジンも紫外線対策はバッチリな気がします。ただしネックが短くてとても注ぎにくい・・・。
コルク栓だけど開けやすい
キャップはジンにしては珍しいコルク製です。大抵は金属キャップか疑似コルクです。コルク製と言えばベリー・ブラザーズ&ラッドのジン、No.3でしょうか。でもナンバー3のはコルクが太くてカスが出やすく、すごく開閉しにくいんですよね。それに比べたら細くて開けやすいです。
疑似コルクとは違い、本格的な雰囲気があってとても良いです。
41.4度と44度の違い
2つの度数があります。私が飲んだのは44度で、41.4度は試せていません。機会があれば比べてみたいのですが、現状では「また買いたい」と思えないんですよね。
ただ経験上では、複数のバージョンがある場合、度数の低いほうが美味しいです。気になる人は41.4度を試してみてはどうでしょうか。
個性はイマイチ
今回は辛口評価。
メーカーは「キュウリとバラの花弁を使っていて独特のスタイル」をアピールしていますが、味自体にそれらを感じることはありません。味わい自体はスッキリしていて、今まで飲んだジンの中ではシップスミス、季の美、ゴードンなどと似ている気がします。オレンジピールやレモンピールは入っているそうですが、タンカレーみたいに思いっきり強い柑橘の風味は感じられませんね。
風味としてはシップスミスや季の美と似ていますが、アルコールのピリピリとした刺激感を舌に強く感じてしまいます。季の美のような良質なテクスチャーでもなく、シップスミスのような鋭さがあるわけでもなく・・・単にドライというよりはちょっと水っぽいという印象を覚えます。
マティーニにしてもちょっと物足りないし、ジントニックにしてもトニックウォーターに負ける風味というか「別にこれじゃなくてもいいんじゃないかな」というのが現状としては正直なところです。ちょっと飲み手に工夫が迫られる銘柄で、私はまだ飲みこなせていないと感じます。
これで2000円台前半なら価格の割に美味しいと感じるかもしれませんが、3000円となるとちょっと微妙なところです。
しばらく飲んで印象が変わった
上記のように書いてから2週間、最近これとは別に入手した他のジンと飲み比べてみると印象が少し変わりました。
「キュウリとバラは感じられない」のはそのままですが、オレンジピールとレモンピールは少し強いと感じます。でもタンカレーナンバーテンみたいには強くありません。かなり控えめ。
そして、味のバランスが良い。他の3000円クラスと再三飲み比べてみると、最初の印象ほどコスパの悪さは感じなくなりました。まぁ妥当かな?というところです。3000円クラスでどれを買おうか迷っているなら、真っ先に試した方がいいかもしれません。かなりハイランクのベンチマークになるでしょう。
好きなレシピ
それと、味がレシピで結構変わるなぁという印象です。個人的には、ジンを少なくめにしてドライベルモットを多めにするほうが酸味が和らいで美味しいと感じます。ベルモットはドランのシャンベリードライです。なぜこの銘柄かというと、クセが弱いベルモットなのでたくさん使ってもバランスが崩れにくいからです。ちょっと塩っぱいとか、酸味が強いと感じる人は試してみてください。
ほかにも、3000円前後のジンを飲み比べたレビューはこちら↓↓↓
トニック・ウォーターの飲み比べはこちら↓↓↓
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