Barで使う道具一覧!シェイカー・グラスの名称、スプーンなどの小物まで
2018年7月4日
このページではバーで使う道具を一覧化します。「あの道具は何ていう名前?」「このグラスはなんていう種類?」っていう疑問が解消できたらと思います。
もくじ
メジャーカップ
- メジャーカップ
measure cup。
上下で容量が違う金属製のカップ。ジガーとも呼ぶ。小さい方が30 ml、大きい方が45 mlだったり、30-60 mlの製品がある。30-60 mlのタイプでも、60 mlのほうの中間地点に45 mlの目盛りが刻んである。
名称 | 容量(液用オンス) | ml換算 | ||
---|---|---|---|---|
日本 | 英国 | 米国 | ||
シングル | 1.0 fl oz | 30 ml | 28.41340 ml | 29.57350 ml |
ジガー | 1.5 fl oz | 45 ml | 42.62010 ml | 44.36025 ml |
ダブル | 2.0 fl oz | 60 ml | 56.8268 ml | 59.1470 ml |
アメリカとイギリスのオンスのml換算値は日本の計量法の下の計量単位令に則る |
英国の1 fl ozは、SIにおけるml換算では正確に28.413 062 5 ml。
ただし、日本では1液用オンス=30 mlだと割り切り、オンスを使わないことが多い。
ちなみにグラム換算した場合、ウイスキーなどのアルコール度数40度前後の酒の比重は約0.95なので、英液用オンスだと28.413 062 5*0.95=26.992]で1 fl oz≒27 gとなる。
カクテルの4つの作り方別、必要な道具
- シェイク
シェイカーで混ぜ合わせ、完成したものをグラスに移す。
- ビルド
タンブラーグラスなど、飲む時のグラスの中で混ぜ合わせ、完成したものをそのまま飲む。
- ステア
ミキシンググラスを使って混ぜ合わせ、完成したものをグラスに移す。
- ブレンド
ブレンダーを使って混ぜ合わせ、完成したものをグラスに移す。
以下で4つの技法ごとに必要なアイテムを紹介します。
シェイク
- シェイク
シェイカーで酒やシロップを混ぜ合わせ、完成したものをグラスに注ぐ技法。
- シェイカー
カクテルを混ぜるための金属製やガラス製の容器。2つのカップを組み合わせる2ピースシェイカーと、ボディ、ストレイナー、トップに分かれる3ピースシェイカーがある。日本で一般的に認知されているのは3ピースシェイカー。
3ピースシェイカー
3つのパーツの名称は以下の通り。
- ボディ
カクテルの材料や氷を入れる部分。真空断熱はされていないので、内部の冷たさは手に伝わる。温度が伝わることで、シェイクの加減が分かる。
- ストレイナー
内部に小さな丸い穴がいくつも開いた中蓋。完成したカクテルをグラスに移す時、氷を止めるためのもの。
- トップ
シェイクする時に中身が飛び出さないようにするための外蓋。カクテルが完成したら、このトップだけを取り外してグラスにカクテルを注ぐ。
シェイカーのトップは容量が1 fl ozで、ジガー、メジャーカップとしても兼用することが出来る。1
シェイカーにもいくつかの種類がある。
- バロンシェイカー
Baron Shaker。
ヨーロピアンスタイルの細身のシェイカー。ボディのラインが直線的で肩付の形状をしている。内部が狭いので氷が動きにくく、材料撹拌の効率性も少し不利。
- コブラーシェイカー
Cobbler Shaker。日本で多くの人が思いつく一般的な形状。バロンシェイカーよりも伝統的なスタイル。
バロンシェイカーに比べてボディに丸みがある。バロンシェイカーとは違い、シルエットは撫肩・曲線的で、肩やボディの中腹部が少し膨らんでいる。生クリームを使うカクテルなどで沢山の空気を含ませたい時に使う。
- メリット
- 種類が豊富で、どこでも入手しやすい。
- 素人にも使いやすい。
- ストレイナーが付属している。
- デメリット
- ストレイナーの穴はそれなりの大きさがあるので、注ぐ時に氷のカケラなどが混入する可能性がある。
- 開閉しにくい。
2ピースシェイカー
- ボストンシェイカー
Boston Shaker。
通常よりも大型のシェイカー。シェイカーを省略して単にボストンとも呼ぶ。2ピースシェイカーとも呼ぶ。
ティンとパイントグラスを組み合わせてシェイクする。- パイントグラス
Pint Glass。ガラス製容器。金属容器の場合もある。
ティン(Shaker Tin)と呼ばれる金属容器とパイントグラス(Pint Glass)と呼ばれる強化ガラスを組み合わせてシェイクする。通常、パイントグラスの方が口径が小さい。シェイクする時は口径が大きいティンが上、パイントグラスが下になるようにしてシェイクする。
- ティン
Shaker Tin。金属容器。
材料をパイントグラスの中に入れる。
ティンに氷を入れる。
パイントグラスの中身をティンに注ぎ、そのまま被せる。
上から叩いて固定し、ティンを上にしてシェイクする。
- メリット
- 構造が簡素なので開けやすく、衛生的。
- プロにとっては使いやすい。(らしい)
- デメリット
- プロ仕様で、操作が難しい。
- サイズが大きいので、手が小さいと持ちにくい。
- 強化ガラスであったとしても、欠けたり破損するリスクがある。
- ストレイナーが付属していない。
日本語圏のサイトでは「ボストンシェイカーは別名でタンバルシェイカーとも言う」とか「フレンチシェイカーは別名でタンバルシェイカーとも言う」との説明も見かけるが、英語圏ではその記述や表現は一切見られない。
- フレンチシェイカー
いくつかの呼び方がある。
- フレンチカッパーシェイカー(French Copper Shaker)
- フレンチカクテルシェイカー(French Cocktail Shaker)
- パリジャンカッパーシェイカー(Parisian Copper Shaker)
- パリジャンカクテルシェイカー(Parisian Cocktail Shaker)
2ピースで、上下どちらのパーツもステンレス製や銅製のシェイカー。大きな金属製のタンブラーとフタで構成される。2
- メリット
- レトロな雰囲気がある。
- コブラーシェイカーと比べてカッコイイ。
- シェイクしやすい。
- デメリット
- 入手がやや困難。
- ストレイナーが付属していない。
- フタの開閉が難しい。
ビルド
- ビルド
Build。
タンブラーグラスなど、飲む時のグラスの中で酒を混ぜ合わせ、完成したものをそのまま飲めるようにカクテルを作る技法。混ぜ合わせるためにバースプーンやスイズルスティック、マッシャー、ペストル(乳棒)などを使う。
ステア
- ステア
Stir。
英語で「混ぜる」「かき混ぜる」などを意味する。ミキシンググラスの中で酒を混ぜ合わせ、完成したカクテルをグラスに注ぐ技法。
- ミキシンググラス
Mixing Glass。
材料を混ぜ合わせるためのビーカーのような底の平らな円柱形で注ぎ口の付いた容器。
- ストレイナー
ミキシンググラスなどで混ぜ合わせたカクテルを別のグラスに注ぐ時、氷などと分離するためにミキシンググラスの蓋に被せるステンレス製の蓋。
- バースプーン
Bar Spoon。先端がスプーン、反対側がフォークやハート型のプレート状になっているスプーン。回転させやすいように柄がねじれている。
ブレンド
- ブレンド
電動のブレンダーを使って材料を混ぜ合わせ、完成したものをグラスに移す技法。
- ブレンダー
Blender
いわゆるミキサーのこと。フローズンダイキリなど、フローズンカクテルと呼ばれるシャーベット状のカクテルを作る際に、材料と一緒に氷(クラッシュドアイス)を入れて使う。
他にも、果物をすり潰す程度の目的ならハンドブレンダーを使う場合もある。据え置き型のブレンダーは性能が高いのでしっかりブレンドすることができるのでフローズンカクテルにも使えるが、場所を取るし騒音が大きいため。
アイスピック
- アイスピック
氷を割るための道具。主に木製の柄に千枚通しよりも太いニードルが取り付けられている。
- ショートアイスピック
5 cm程度のニードルが1本だけ付いたアイスピック。シングルアイスピック。かち割り氷を作りやすい、アイスボールを作りやすいなど、汎用性が高い。
- ロングアイスピック
ショートアイスピックよりもニードルが長いアイスピック。ニードルの長さが15 cmほどある。ニードルの先端と手の間に大きなクリアランスができるので、ブロックアイスを割る時に使い勝手が良い。ニードル部分を持てばショートアイスピックとしても使えるので、最も汎用性が高い。
- 3本刃アイスピック
長さ2 cmほどのニードルが3本並んだアイスピック。アイスボールを作るときなどには速く成形することができるが、表面が荒くなりやすい、汎用性が低い、怪我をしやすい。どちらかというと素人向け。
グラスの種類
タンブラー
- オールドファッションドグラス
陶器、磁器、ガラス、金属で出来た口が広く背の低いタンブラー。いくつかの呼び方がある。
- オールドファッションドグラス(Old Fashioned Glass)
- ローボールグラス(Lowball Glass)
- ロックグラス(Rock Glass)
- グラスタンブラー
- カクテルタンブラー(Cocktail Tumbler)
- グラスタンブラー(Glass Tumbler)
いわゆる「コップ」や「ハイボールグラス」と呼ばれるグラス。ジントニック、スクリュードライバー、ソルティドッグなど、ビルドで作るカクテルによく使われる。
ビールグラス
- パイントグラス
Pint Glass。
- パイント
Pint。ヤード・ポンド法での体積・容積の単位。1パイントは英国で20 英液量オンス (568 ml)、米国では16 米液量オンス (473 ml) 。
イギリス系のバー(イギリス、オーストラリアなど)ではビール1杯の量として、ビール1パイントを頼むと英国20 英液量オンス (568 ml)の量のビールが提供される。
- ピルスナーグラス
Pilsner glass。
背が高いグラスで、底にいくに従って直線的に細くなっている。一般的には200 ml、250 ml、300 ml、330 ml、400 ml程度で、パイントグラスよりも小さい容量。
ステムグラス
ステムグラス(Stemmed Glass)とは、ステムと呼ばれる脚を持つグラスのこと。
- カクテルグラス
Cocktail Glass。
少し丸みを持った逆三角形の形状をしたグラス。大きさの種類としては3~6 オンスの容量がある。液体表面積が大きくなるように作られていて、飲む時に香りを感じやすくする構造になっている。
- マティーニグラス
Martini Glass。マティニグラス。
しばしばカクテルグラスと同義で、互換的に使用される。しかし厳密にはカクテルグラスよりも容量が多く、グラスの縁の外周が広く、側面は直線的で円錐形をしている。これによりオリーブに差したカクテル・ピンとグラスとがそれぞれ直線を描く。
- クープグラス
口の広い、底の浅いグラス。いくつかの呼び方がある。
- クープグラス(coupe glass)
- シャンパンクープ(Champagne Coupe)
- シャンパンソーサー(Champagne saucer)
フルートグラスのような縦に細長いグラスとは違い、顎を上げず飲むことが出来るので飲む姿が美しく見える。パーティーなどでよく使われる。アビエイション、サイドカー、ダイキリなどのカクテルに使う。
- ワイングラス
- 赤ワイングラス
Red Wine Glass。
赤ワインを飲むためのグラス。グラス内でワインを旋回させるために全体的に大きな丸みを持つ。手の温度を与えないために長いステム(脚)を持つ。- 白ワイングラス
White Wine Glass。
白ワインを飲むためのグラス。空気に触れて変質することを防ぐため、赤ワインのグラスに比べて開口部や液体の表面積が小さくなるように作られている。- フルートグラス
いくつかの呼び方がある。
- フルートグラス(Flute Glass)
- シャンパンフルート(Champagne flute)
フルートは「横笛」を意味する。スパークリングワイン・シャンパンカクテルを飲むためのグラス。炭酸が抜けないように、白ワイングラスよりも更に開口部が小さく、縦長に作られている。
- アイリッシュコーヒーグラス
Irish Coffee Glass。
アイリッシュコーヒーやホットトディを飲むためのグラス。3
- ハリケーングラス
Hurricane Glass。
フィッシュテイルの形状をした縦に細長いグラス。真ん中がくびれている。上の写真のようにやや丸みのある形もある。1940年代にニューオリンズの酒場のオーナー、パット・オブライエン氏(Pat O’Brien)が開発した。当初はハリケーンランプのような形状だった。4
- グレンケアンウイスキーグラス
The Glencairn Whisky Glass。
ウイスキーをテイスティングする時に最大限に味を引き出すことにフォーカスしたグラス。ウイスキーを調合するブレンダー(Master Blenders)が愛用し、多くの蒸溜所で使用されている。通常、ストレートやトワイスアップでテイスティングする。
- スニフターグラス
いくつかの呼び方がある。5
- スニフターグラス(Snifter Glass)
- ブランデースニフター(brandy snifter)
- ブランデーボウル(brandy bowl)
- ブランデーグラス(brandy glass)
- コニャックグラス(cognac glass)
- バルーン(balloon)
底の広いボウルと短いステムを持つ。指の間にステムを挟み込むようにしてグラスを持ち、手のひらでボウルを温めることで酒を香りを高める。細長い形状もある。
- マルガリータグラス
Margarita Glass。
マルガリータを飲むためのグラス。中段で大きくくびれ、底面が2段底になっている。
その他、小物類
- レードル
Ladle; ひしゃく。レードルに入れた酒を燃やしたりするため、金属製を使うことが多い。また、タンブラーに入るようにスリム・コンパクトに作られている。
マドラーとスウィズルスティックの違い
日本と英語圏では、言葉と、指しているモノが違うことがあります。ここでは英語圏を基準にして説明します。
- マッシャー; グラインダー; マドラー; ペストル
Masher; Grinder; Muddler; Pestle
すり棒、乳棒などのこと。果物やハーブをすり潰すために使う太い棒状の道具。底面に鋭い小さな凹凸があるタイプはGrinderと呼ぶこともある。スプーンの先端をL字に折り曲げたようなタイプもある。グラスの中で使用するので、底面が平らなものが多い。6
- それぞれの英語の意味
- Masher:すり潰すやつ
- Grinder:粉砕するやつ
- Muddler:ごちゃまぜにするやつ
- Pestle:乳棒
- スウィズルスティック
Swizzle Stick。
スウィズルスティックの定義は少し幅広い。次のようなものは全てスウィズルスティックと呼ばれている。先端が小さなスプーン状になっていたり、ボール状に膨らんだプラスチック製の細い棒。
オフィスなどのコーヒーの自販機に添えられている、砂糖を混ぜるための細短い平らなプラスチック製の棒。
果物をピンとして固定したり、カクテルを混ぜるための細短い棒。
先端が枝分かれしていて、材料を効率的に撹拌できる細長い棒。(カリビアンスウィズルスティック)
- カリビアンスウィズルスティック
Caribbean Swizzle Stick。
モヒートのようなカクテルを作る時に、材料を効率的に撹拌する細長い棒。木製で、先端が四方八方に枝分かれしている。18世紀、西インド諸島のラム生産所で作られた。ラム・スウィズル(Rum Swizzles)と呼ばれるバミューディアンカクテルをかき混ぜるために作られた。
当時はクワライベア・タービナータ(Quararibea turbinata)という木の枝で作ったことから、この木はスウィズルスティックツリーとも呼ばれる。
元来、スウィズルスティックは先端が枝分かれしたものを意味したが、現在では枝分かれたしたものをカリビアンスウィズルスティックと呼び、単なる棒状のものを単にスウィズルスティックと呼ぶことが多い。
- スターラー
Stirrer。
カクテルを混ぜるための細長い棒。先端が小さなスプーン状になっていたり、ボール状に膨らんだプラスチック製の細い棒。(スウィズルスティックとほぼ同義)前述の通り、日本では先端に小さなスプーンや膨らみがある棒を一般的にはマドラーと呼ぶが、英語圏でマドラーというと乳棒を意味する。
(Sirをステアと表記するならStirrerはステラーと表記するべきだと思うけど・・・。発音的にはスタラーのほうが近い。)
スターラーとスウィズルスティックの違い
スターラーとスウィズルスティックの定義はかなり曖昧です。
でも、コーヒーを混ぜるプラスチック製の細短い棒、カクテルに添える棒という意味で使うならスウィズルスティックのほうが自然です。
一般的に、スターラーは化学試験などでビーカーに入れた液体をずっと安定的に混ぜるための機械「マグネチックスターラー(Magnetic stirrer)」を意味するからです。これは日本でも海外でも言えることです。
Posted by maa / 麻(まー)
関連記事
マティーニ
マティーニ(Martini)はジンをベースにしたカクテルで、映画のワンシーンにも ...
ギブソン(カクテル)
ギブソン(Gibson)はカクテルの一種。ジン(Gin)をベースにして作ります。 ...
セラミック真空断熱タンブラーで酒を美味しく飲める!
「真空断熱タンブラーは氷が溶けないから便利だけど金属臭がする」と感じて以来、氷で ...
缶ディスペンサーを買おうとしてる人に読んでほしい話
ビールの缶って、新しく入れるのを1番奥に入れるのって面倒ですよね。でも手前のが1 ...
マンハッタン
マンハッタン(Manhattan)は、ウイスキーベースのカクテル。ベースに使用す ...
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません