辛口 純米 日本酒、3000円前後のおすすめ銘柄と味の評価(主に純米吟醸)

2018年10月1日

私は辛口の日本酒が大好きです。ここでは、辛口の日本酒に絞って、飲んだことがあるいくつかの銘柄をオススメします。

甘口、中辛口の銘柄については下記リンクでまとめています。

10位: 上善如水 純米吟醸

白瀧酒造 上善如水

メーカー公式ページ。

まぁ無難な銘柄というか、クセが少ないので当たり障りのない味という印象です。クセがなくて辛口なので、どんな料理にも合わせやすい味です。

ただ、上位で紹介している銘柄に比べると舌と酒の間に水が一枚噛んでいるような味の弱さ、薄さを感じてしまいます。(すいません)

冷酒で飲むと凄く美味しいです。メーカー常温でも◯、ぬる燗は△としていて、その通りだと思います。

ちなみに上善如水とは、春秋時代の思想家の1人、老子の言葉です。

9位: 白瀧酒造 熟成の上善如水 純米吟醸

白瀧酒造 熟成の上善如水

メーカー公式ページ。

上善如水 純米吟醸と比べて極端に比べるほどの違いがあるかというと、正直いってありませんでした。

どちらも辛口・淡麗に徹したような味・風味をしています。メーカーは一応、「中辛口」としていますがそんなに甘いことはなくて、クセが弱めでどんどん飲める味をしているんですよ。とにかく辛口を好む人にはオススメできる銘柄の1つです。

普通の上善如水と同様、冷酒で飲むと美味しいです。メーカーは、ぬる燗でも◯としていて、その通りだと思います。

8位: 酔鯨 純米吟醸 吟麗

酔鯨 純米吟醸 吟麗

メーカー公式ページ。期間限定商品:8月中旬〜11月末。

上善如水に比べると幾分か味が濃い。そして日本酒らしい臭みが強い銘柄です。

この臭みや味は吟醸酒クラス以下によく見られる独特のもので、これは好みの問題でもあるようにも思いますが、正直言って個人的にはあまり好きではありません。たぶん日本酒が苦手な人はこの独特な香りが苦手だと思うんですよね。

そういう意味では、上善如水の方が飲みやすいと思います。

7位: 酔鯨 純米吟醸 高育54号

酔鯨 純米吟醸 高育54号

メーカー公式ページ。

私の舌が悪いんでしょうか、すみません。正直、「酔鯨の吟麗」とこの「高育54号」との明確な違いを感じることができませんでした。

単純に酔鯨の味がそこまで好みじゃないというのもあるんですけどね。美味しいのは美味しいです。

ただ、上でも言ったように日本酒独特の臭さが強めだと感じます。またそれと同時に、下で紹介している銘柄の値段やパフォーマンスを鑑みると、そこまで・・・・という感じでして。(蔵元さんすいません)
まぁ単純に好みの問題なのかもしれませんけどね。いわゆる「酒臭さ」は強いので、飲ん兵衛はこういう酒が好きだとは思います。

6位: 阿部勘 純米吟醸

阿部勘 純米吟醸

メーカー公式ページ。

阿部勘は宮城県塩釜市の阿部勘酒造店の県外出荷向けのブランドです。私が購入した時は3600円くらいで、正直なところコスパが高いとは言えないと感じましたね。でもこれを含めて、ここから下に紹介しているのは個人的にはぐっと美味しいように感じます。

ほんのりフルーティーで程よい甘さもあって、「冷酒が似合うお酒」という印象を受けました。

喉越しには本当に少しだけ引っかかる感じがあって、「スルスルと飲めるお酒」とまではいかないと感じました。

ほんのりフルーティーですが獺祭ほどはキツくはなくて、土台はちゃんと「日本酒らしい香り」なので、色んな料理に合います。

5位: 南部美人 純米吟醸

南部美人 純米吟醸

メーカー公式ページ。

すごく上品で、しかも力強さのある味です。

鍋島グリーンラベルみたいな異端じゃなくて、無難なバランスをしています。

南部美人、菊姫、黒龍、この3つは特徴が割と似ていて、いい勝負をしています。この3つの中では一番甘口ですが、酸味は菊姫や黒龍に比べてはるかに弱いと感じます。

ちなみに、全米日本酒歓評会吟醸酒の部優等賞を受賞、純米の部で金賞の受賞歴があるそう。

4位: 菊姫 山廃純米

菊姫 山廃純米

メーカー公式ページ。

菊姫は山卸廃止酛(山廃仕込み)で作られた純米の辛口の日本酒です。

山卸廃止酛

1909年(明治42年)、明治政府の先導により、国立醸造試験所で開発された製法。

従来より精米技術が向上したことにより米を人工的に潰さず、米麹の働きを利用して米を溶かす製法。

米・米麹は兵庫県吉川町産特A山田錦100%使用。菊姫という名前にふさわしい上品さを持っています。

黒龍や酔鯨などに比べると、飲んだ瞬間はふわっとした甘さ・フルーティーさがあります。でもその後にしっかりと濃い味と辛口の風味、キレの良さを感じます。甘口ではなくて、確実に中辛口よりも辛口です。

南部美人はあまり酸味を感じませんが、菊姫や黒龍には強い酸味が感じられます。ここに紹介する銘柄の中では鍋島パープルラベルに次いで3番目に発泡性や酸味が強いように思います。その次に強いのが黒龍でしょうかね。

いくつかの銘柄を同時に開けたら確実に真っ先になくなる銘柄の1つですね。

3位: 八海山 純米吟醸

八海山 純米吟醸の詳細
項目詳細
酒造メーカー八海醸造株式会社
商品名八海山 純米吟醸
原料米山田錦(麹米・掛米) 美山錦(掛米)五百万石他(掛米)精米歩合:50%
酵母アキタコンノNo.2
日本酒度+4.0
酸度+1.2
アルコール度数15.5度
産地山形県

個人的には黒龍と同じくらい好きなので、順位も同じにしました。5位以上のここらへんになってくると正直優劣が付けづらいです。

八海山 純米吟醸の雰囲気や香りは酔鯨に似ています。フルーティーさと酸味は控えめで、コクがあって、味がとても濃いです。お米の香りがしっかりとしています。
喉越しには少しだけひっかかりがありますがイヤな感じではありません。

八海山のHPにはこんな言葉が乗っています。

よく晴れた冬の日、澄みわたる空気の中で日差しに解け始める雪。そんなときに感じる、なんともいえない静けさとおだやかさとを持ったお酒です。

この言い回しを見て、「めっちゃ的確だなぁ」と感心しました。小春日和にしんみりと飲みたいお酒、本当にそんな雰囲気を持っています。

辛口とのことですが、中辛口くらいに感じます。八海山の生原酒も飲んだことがありますが、生原酒のほうがちょっとフワっとしているというか締まっていない緩い感じがあります。これについては好き嫌いの問題になるかもしれませんが、私はこっちの純米吟醸のほうが好きですね。

3位: 黒龍 純吟 純米吟醸

黒龍 純吟 純米吟醸

メーカー公式ページ。

フルーティーさや華やかさからは少し遠い、落ち着いた味わいです。

飛び抜けて何か特徴があるというより、素朴な日本酒のうまさをぐっと強くしたような印象です。余計な酒臭さを排除しつつ、しっかりとした濃いを味を持っています。鍋島のパープルラベルと雰囲気が似ています。

黒龍が良いと思うところは、南部美人よりも辛口でサッパリしているところです。
一応「中辛口」ということになっていますが、個人的には飲んでいてそこまで甘くは感じませんでした。むしろ南部美人や菊姫よりも辛口に感じます。

それと、程よい酸味があります。菊姫、黒龍、鍋島。この3つには爽やかな酸味があり、似ています。鍋島よりも黒龍のほうが少しだけ酸味が弱く、その代わりに甘みがあります。よりドライを求めているなら鍋島のほうが良いと思いますが、甘さとのバランスを求めるなら黒龍がおすすめです。

2位: 鍋島 特別純米酒 グリーンラベル

鍋島 特別純米酒 グリーンラベル

メーカー公式ページ。

従来の日本酒らしからぬ、とても爽やかな味をしています。
ここで紹介している銘柄の中では一番の異端児的な存在だと感じます。もちろん良い意味で。

ドライさ、辛口を求める視点で見ると、鍋島パープルラベルよりも少しぼんやりした印象はありますが、この華やかさはグリーンラベルにしかありません。

発泡性が非常に強くて、栓を掛けようとすると隙間からシュワシュワとガスが出てきますし、飲んだ時にもその発泡を明確に感じることができます。

酸味と相まって、すごく軽快で爽やかな味わいに仕上がっています。爽やかさだけでいうとこの鍋島グリーンラベルが1番ですね。

1位: 鍋島 純米吟醸 山田錦 パープルラベル

鍋島 純米吟醸 山田錦 パープルラベル

メーカー公式ページ。

私も1万円を超えるような高級な日本酒を飲んだことがないので偉そうなことは言えませんけど・・・・

まぁまぁまぁまぁまぁまぁ、私は今まで、これほど美味しい日本酒を飲んだことがありませんでした

喉越し、香り、ほどよい微かな酸味と辛味、テクスチャー(舌触り、まろやかさ)のすべてが素晴らしいですね。コストパフォーマンスも高いので凄くオススメしたい銘柄です。

パープルラベルとグリーンラベルの違い

  • 鍋島 パープルラベル
  • 鍋島 グリーンラベル
概要
銘柄詳細
使用米日本酒度酸度
鍋島 グリーン佐賀の華・山田錦55%+51.6
鍋島 パープル山田錦50%+51.3

これだけを見ると、別に大差ないように見えます。

でも極端に言い分けると、「グリーンラベルはフルーティーでふわっとした爽やかさ」、「パープルラベルもフルーティーだけどキリっとスッキリした淡麗」って感じです。でもこの「フルーティー」は獺祭50みたいな「甘ったるさ」ではありません。

グリーンラベルは酸味や発泡が明らかに強いです。まぁそれ自体は「個性として全然アリ」なんですが、キメの細かさに少し粗さがあり、少しボンヤリとした印象があります。

一方、グリーンラベルに比べてパープルラベルは雑味も少ないしキメも細かいです。辛口で軽やかでいて、しかもしっかりとした味の濃さがあります。パープルラベルの方がより輪郭が明確でシャープです。

また、酸味や発泡はグリーンラベルと比べるとかなり弱いです。とは言え、栓を開ける時にもシュワシュワしているのが分かる程度にはごく微かな発泡があります。

総合的にはグリーンラベルよりも美味しいと感じられます。

じゃあグリーンラベルが全く不要かというとそんなこともなくて、グリーンラベルの酸味の強さや発泡性にはとても爽やかさがあり、これはこれで美味しいです。

鍋島のパープルラベルは本当に、1回でいいから味わってみて欲しい銘柄ですね。

甘口、中辛口の銘柄については下記リンクでまとめています。