ジャパニーズ・クラフト・ジンを飲み比べたレビューと評価

2019年7月28日ジン

いくつのかのJapanese Craft Gin(日本製のジン)を入手したので、それぞれを味見して比べました。私の好きな銘柄順に紹介します。

季の美 KINOBI

季の美 KINOBI Kyoto Dry Gin

メーカー公式ページ。

概要
名前 メーカー 原産国 導入 度数 香り
季の美 京都蒸留所 日本 無色透明 45度 ジュニパーや柚子の落ち着いた香り

メーカーの希望小売価格は5000円。アルコール40度換算で4450円ほど。

京都ならではの11種類のボタニカルズ

お米から作られたスピリッツと伏見の名水をベースにして、1879年に創業した宇治茶の老舗堀井七茗園の玉露や、柚子、ヒノキ、山椒などの日本らしい素材をボタニカルとして使用したジンです。

  • ジュニパーベリー
  • オリス
  • ヒノキ
  • 柚子
  • レモン
  • 緑茶(玉露)
  • ショウガ
  • 山椒の実
  • 木の芽
  • 赤しそ
  • 笹の葉

正統派の味で、贈答用にも向いている

ボタニカル自体は日本らしい材料を沢山使っていますが、その風味は正統派を感じさせます。

ジャパニーズクラフトジンと銘を打っている銘柄って、あまりに奇をてらいすぎて変な味のジンって結構あるんですが、季の美にはそういう痛々しさが無い。

たぶんこれを飲んで「ハズレだ」と感じる人は珍しいのではないでしょうか。箱も付いていますし、贈答用にも適していると感じます。

使いにくいボトル

ボトルデザインには日本で唯一江戸時代から続く唐紙屋を継承する雲母唐長(KIRA KARACHO)が文様監修したデザインを用いているそうです。

形状はそうじゃないのか知りませんが、とにかく液垂れが酷い。機能美に欠けます。(季の美のボトルの機能美がって、あっ・・・)
キャップの締まり具合とか液垂れの感じとかはプリマスジンのボトルと似ています。ネック部分はプリマスほど短くはありません。

使っててイライラするので、開けたその日に一切液垂れしないビーフィーターの瓶に移し替えました。ビーフィーターの瓶も茶色だったら紫外透過が防げて尚良いのに・・・と思いますね。

テクスチャーがすごく良質

テクスチャーはかなり良質です。ストレートで飲んでも「(良い意味で)本当に45度もあるスピリッツなの?」というくらいに度数の高い酒独特の「かーっと感」やアルコール臭さがほとんどありません。凄く飲みやすいです。
ワンショット&ミドルカットで贅沢な製法をとっているシップスミスと雰囲気がちょっと似ています。特にマティーニにした時。

でも鼻から抜ける香りがちょっと物足りない。そこが非常に残念ですね。

明らかにマティーニ向きだと感じますが、ベルモットの銘柄にかなり気を使うように感じます。

ベルモットの味や香りがそのまま表に出てくるからです。個人的にには、ドライ・ベルモットもよりも辛口白ワインのほうが合う気がします。

もちろん、下位の銘柄に比べたら明らかに香りは強いですよ。でも値段ほどの香りがするかというと少し疑問というか「あと数百円でも安ければなぁ」と感じます。味やまろやかさ、舌触りについては申し分ありません。

グラス付き

私はグラス付きの商品をamazonで買いました。ジン・トニック用にでも使えるかなと思ったんです。でもこのグラスがまぁ思った以上にはるかに大きい。

どれくらい大きかというと、空っぽのグラスだけでも363 g、水を入れて測ってみたら1130 g。容量が767 mlくらいあるんです。

普通のクープグラスや赤ワイングラスなどは自重が100 g程度で、容量が200 ml前後なので、飲み物が入った状態でも総重量は400 g程度です。3倍近い重さ。

赤ワイン専用でボウルが特大のものであったとしても、容量は600 ml程度で、しかも良質なグラスなら薄手で軽いです。
ところが「こいつ」は分厚いし、ガラスのところどころに鬆(ス)が入っているし・・・。

とにかく想像していたよりも五~六回りくらい大きくて重くてビックリしましたね。こんな大きなグラスに氷を入れたらドンドン溶けるし、持ってたら手は疲れるし・・・+200円程度のオマケ品にしても200円の価値も感じられません。これはあまりに酷い。せいぜい水屋を飾るインテリア用ですね。

イギリス、オランダなど主に本場の3000円前後のジンを飲み比べたレビューはこちら↓

六(ROKU)

六(ROKU)

メーカー公式ページ。

概要
名前 メーカー 原産国 導入 度数 香り
六(ROKU) ビームサントリー(サントリー) 日本 無色透明 2017年7月4日 47度 柚子/薬草

参考価格は700 mlで3500円(アルコール40度換算なら3000円)。希望小売価格では4000円。

桜や緑茶など日本由来の6つのフレーバーを取り入れた和テイストな日本らしい味をしたジンです。従来の8種類と合わせて合計で14種類のボタニカルズを使用しています。

6つの日本由来のフレーバーを使いつつも、本筋から逸脱しないような仕上がりになっているのでクドくなく、飽きはきません。

この中で一番近いのは、山椒がピリっと効いているニッカ カフェ ジンですね。似ているし、両方とも日本産。ですが、それでもこの2つはだいぶ印象が違います。

ROKUや他よりもニッカ カフェ ジンが極端に異質だと言った方が正確かもしれません。

酸味が強い

ただし酸味が強いの好き嫌いがちょっと別れる味かもしれません。

桜尾ジン オリジナル(黒い瓶)

SAKURAO GIN

メーカー公式ページ。

概要
名前 メーカー 原産国 導入 度数 香り
桜尾ジン オリジナル 中国醸造 日本 無色透明 2018年3月5日 47度 優しい柑橘

参考小売価格は700 mlで2000円。40度換算だと1700円。

個性が無い

悪くはありません。テクスチャーもほどよくまろやかで、飲みやすい味です。

雰囲気としてはプリマスとタンカレーの合いの子で、ちょっとだけボンベイ・サファイア混ぜたみたいな風味を感じます。プリマスジンほどの酸味は無いんですけどね。

そこそこ美味しいですけど、「これじゃないとダメか?」って自問してみると全然そんなことなくて、正直言って値段ほどの価値は感じません。(本当にすいませんが)
これ買うんだったらタンカレーNo.10かブルームズバリー、あるいはビクトリアン・バットを買ったほうがお金の使い方に意義に感じますね。(本当にすいませんが)

コスパは高い

40度換算だと1700円でこの味。とてもコスパが高いといえます。

テクスチャーとか、質の高さで言えばニッカカフェジンのほうが上だとは思いますが、味の好み、コスパの高さもトータルで考えると桜尾ジンのほうが好きですね。

イギリス、オランダなど主に本場の3000円前後のジンを飲み比べたレビューはこちら↓

ニッカ カフェ ジン

ニッカ カフェ ジン

メーカー公式ページ。

概要
名前 メーカー 原産国 導入 度数 香り
カフェジン ニッカ 日本 無色透明 2017年6月27日 47度 山椒/和柑橘

参考価格はアルコール47%, 700 mlで3600円(アルコール40%に換算すると3060円ほど)。参考小売価格では4500円です。

原料は大麦とトウモロコシ。ボタニカルとしてはちょっと変わった原料が使われていて、これは他にはなかなか無い味と香りです。

  • ジュニパーベリー
  • 柚子
  • 甘夏
  • かぼす
  • 山椒
  • ニッカ(ニッキ?ハッカの誤表記?公式ではニッカとある)
  • 緑深いりんご

山椒の辛さが明確に伝わってきます。酒自体が辛いというのもありますけど、口に入れた瞬間から文字通りスパイシーな辛さが舌や口全体に素早く広がる感じがあります。本物の山椒ほどではありませんが、舌がピリピリと痺れる感じも本当に微かにだけあります。山椒の佃煮を食べた時のような強烈な痺れはありませんよ。

山椒のフレーバーが勝っているからなのかわかりませんが、和柑橘を数多く使っている割にはその酸っぱさがなくて飲みやすいです。最初飲んだ頃はベースというか、どっしり感や味はあんまり感じられなくてザ・ボタニストは麦由来のそういう太さ、ずっしり感を感じたので、ここは結構違う点だなぁと思っていました。

でも、ボンベイ・サファイア・イーストと飲み比べてみたら味の太さは明確にこっちのほうが上でした。相対的な評価とはなりますが、ブードルスやザ・ボタニスト程ではないにしても味はしっかりしていると感じます。

ニッカ カフェジンの詳細はこちらで紹介しています。↓↓↓

イギリス、オランダなど主に本場の3000円前後のジンを飲み比べたレビューはこちら↓

桜尾ジン リミテッド(ピンクの瓶)

SAKURAO GIN

メーカー公式ページ。

概要
名前 メーカー 原産国 導入 度数 香り
桜尾ジン リミテッド 中国醸造 日本 無色透明 2018年3月5日 47度 不明

参考価格は700 mlで5050円(アルコール40度換算で4300円)。小売価格は5500円。

オリジナルに比べて多数のボタニカルを使用

レモン、柚子、ヒノキ、牡蠣殻、桜、柑橘類など17種類ものボタニカルズを使用しています。

個性的だが好きじゃない

まぁつらい味です。臭いが独特過ぎるんですよね。桜尾ジン・オリジナルはまだ分かります。でもこのピンクのリミテッドは本当にワケが分からない味をしています。
マティーニ、ジントニック、ストレート、オンザロック、どれを試しても私はダメでした。

今は金返してくれ!と憤っています。もう二度と飲みたくない。
こんなニオイを好きな人っているんですか?ってメーカーの人に聞きたいくらい私には本当に合いませなんだ。

どのボタニカルが悪さをしているのか分かりませんが、このクサさの正体を知りたいですね。もしかして他のジンではまず使われていない牡蠣殻でしょうか?
とにかく謎のニオイがします。

贈答用にも向かない

仮にこの香りが好きな人がいたとして、10人に1人?20人に1人?私としては1万人に1人もいないんじゃないかと感じていて、決して万人受けする味ではありません。
なので、瓶のデザインは綺麗で誰かに送りたくなっちゃいますけど、オススメはしません。

もしかすると、アマレットのようなリキュールみたいに、どこかでちょびっと使えば何かカクテルを作る時にアクセントになるんじゃないか!?」と模索中ですが未だに思いつきません。思いついたらまた追記したいと思っています。でもたぶんそんな日は来ないんじゃないかと感じています。

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まとめ

一番無難にオススメできるのは季の美と六(ROKU)だけです。それでも六(ROKU)は酸味が強めで柚子が主張してくるので、好き嫌いは分かれやすい味です。季の美は、味自体は良いですが、価格を考えるとちょっとアレですね。(アレって何)

ニッカ・カフェ・ジンはちょっと価格が高いのと、ROKUに比べて更に好みが分かれやすいと思います。

総評としては、正直いってジャパニーズ・クラフト・ジンはまだまだ発展途上にあるなぁと感じました。

ジャパニーズクラフトジンは従来のジンのテイストから大きくかけ離れたものが多いので、初めてジンを飲む人がジャパニーズジンをチョイスして「ジンってこういう味なのか」と誤解されるのも何か違う気がする。

色々試した結果、ここにも手を伸ばしたいというのならまだ分かりますけど、コストパフォーマンスを求めて買っても、満足は得られないでしょう。ここで紹介した中でコスパだけを求めるなら桜尾ジン(黒い瓶)ですね。

イギリス、オランダなど主に本場の3000円前後のジンを飲み比べたレビューはこちら↓

1000円台で買えるジンを飲み比べたレビューはこちら↓↓↓