ジンを飲み比べてレビュー!有名な4銘柄(ビーフィーター、ボンベイ、プリマス、タンカレー)

2018年10月8日ジン

世界の4大スピリッツはジン、ウォッカ、テキーラ、ラムです。
その1つ、蒸留酒のジン(Gin)について、以下の銘柄を飲み比べてみました。

  • ビーフィーター・ロンドン・ドライ・ジン
  • ボンベイ・サファイア
  • プリマス・ジン
  • タンカレー・ロンドン・ドライ・ジン

どれも700 ml1000~1600円前後までで入手することが可能です。ジンを買おうと思ってるけど「どれ買えばいいんや」って迷ってる人の参考になれば幸いです。

並べた4つのジンのボトル

今回は4つの味を明確に聞き分けるために、全て同時にコニャックグラスを使ってテイスティングしました。

もう1つ上位のプレミアムジンであるスター・オブ・ボンベイや六(ROKU)のレビューは下記リンクでどうぞ。

各銘柄の概要

各銘柄の概要
名前 メーカー 原産国 導入 度数 香り
タンカレー チャールズ・タンカレー社(アレクサンダー・ゴードン社と合併) イギリス 無色透明 1830年 47.3度 薬草
ビーフィーター ジェームズ・バロー社(ペルノ・リカール社傘下) イギリス 無色透明 1820年 40~47度 レモン、薬草
プリマス コート社 イギリス 無色透明 1793年 41.2度 レモン、薬草
ボンベイ・サファイア ボンベイ・スピリッツ社(バカルディ社傘下) イギリス 無色透明 1987年 47度 薬草
各銘柄の味のバランス
銘柄 ドライ 香り 味濃さ レモン風味 薬草感 個性
タンカレー 80 30 30 10 40 30
ビーフィーター 50 50 50 50 50 50
プリマス・ジン 60 70 60 80 60 60
ボンベイ・サファイア 40 40 70 20 80 80

数値の幅は[0~99]まで。基準値は50で、ビーフィーターを基準とする。あくまで強弱の数値であって、優劣ではない。数値が高いからといって、必ずしも優れているわけではない。

◎とか△で表現しようとも考えたのですが、微妙な差が表現できないので数値で表現しました。あくまで相対的な数値です。ここで紹介する銘柄が増えた場合には変化する可能性があります。

これ以上の機微については下記の各項目での記述を参照してください。

タンカレー・ロンドン・ドライ・ジン

タンカレー

Tanqueray London Dry Gin。
4回の蒸留によって、極めてドライな風味をだしているジンで、すっきりとした淡麗なキレのある味が特徴。

引き立て役に徹するような味

タンカレーは淡麗でドライ。良いように言えばそうかもしれませんが、悪い言い方をすれば個性を感じません。それが個性とも言えなくもないですが、他の銘柄に比べると少しインパクトに欠けます。

ビーフィーターやプリマス・ジンは柑橘フレーバーや酸味が強いのが特徴です。じゃあタンカレーはというと、そういうものがありません。 概要ではレモン5としましたが、レモンの風味なんかほとんど感じません。そもそも入ってんのかな?っていうくらい。
と、最初は思ってたんですが、2回3回とタンカレーだけを飲んでみるとレモンの存在感は少々あります。レモンをほとんど感じなかったのは、レモン感の強いビーフィーターやプリマスと飲み比べたせいかもしれません。とは言っても、やはりかなり弱いです。

薬草のフレーバーはそれなりにしますが、トータルとしてはイマイチです。これだったらボンベイ・サファイアの方が魅力的に感じます。また、少しアルコール臭がするのも気になるところです。「この辛さが好き!」っていう人もいるかもしれませんけどね。

タンカレーに個性や酸味がないのはストレートで飲むのに向かない反面、カクテル作りに向いているとも言えます。ベースにクセがあると味の組合たてがしにくいので。

例えば、ホワイトレディーのようなレモンジュースを使うカクテルのレシピでレモンフレーバーの強いジンを使うと、レモンレモンして酸っぱくなりがちです。レモンジュースを減らすなりして味の調整ができなくもないですが、本質的な解決とは言えません。合計分量も変わってしまいますからね。タンカレーはそういう場面に向いています。

逆に、そこにレモンのフレーバーが欲しいと思うのなら、レモン果汁を加えるよりもプリマス・ジンなどを使ったほうが良いのではないでしょうか。

また、マティーニやギブソンなど、果汁を使わないカクテルレシピでドライ・ベルモットの風味を引き立てたい時にも適しています。
タンカレーの個性が弱いので、ベルモットが少量だったとしてもベルモットの風味がしっかりと活きてきます。プリマスやビーフィーターなどの場合は結構ベルモットを入れないと存在を感じることが出来ず、風味負けしてしまいます。

この差の何が重要かというと・・・
たとえばベルモットではなくて普通の白ワインで割るとします。美味しい白ワインだったらいいですけど、格安の白ワインだと葡萄の風味はそこそこあっても雑味が強いことがしばしばあります。
こういう時にタンカレーを使えば、ごく少量の白ワインでもマティーニらしくなります。風味はしっかりマティーニらしくてできて、雑味を最小限に抑えることができます。最近この飲み方にどハマりしてます。

逆にビーフィーター+格安ワインだと、味を調えるためにワインを多く入れた結果、雑味の多い不味いマティーニになりやすくなります。

ビーフィーター・ロンドン・ドライ・ジン

ビーフィーター・ロンドン・ドライ・ジン

Beefeater London Dry Gin。
1820年誕生。銘柄の名前はロンドン塔駐在の衛兵の通称からとられています。その由来は、 “Beef Eater”(牛肉を食べる者)とも言われていますが定説はありません。 原料にはシシリアンレモンピール、セビルオレンジピール、コリアンダーシード、アーモンドパウダー、オリスの根、薬草のリコリス(甘草)、アンジェリカの根を使用しています。
ボタニカル(草根木皮)などの素材を約24時間浸漬して蒸溜。

レモンの香り・酸味が少し強い

飲んだら一発で分かるくらいにレモンの香り、味、酸味がします。似ている他の銘柄と言えば、プリマス・ジンです。でもプリマスのほうが明らかに美味しいです。(まぁ好みの問題かもしれませんけど)

プリマスは、ビーフィーの味を淡麗・クリアにして(ドライとは違う)、ちょっと角を落として、レモンの香りや酸味をクイっと強めたような味をしています。

また、ビーフィーターはプリマスに比べるとほんの少しアルコール臭が気になります。

カクテルのベースとして使うには少し注意が必要

シシリアンレモンピールの香りと酸味は明確に感じるので、カクテルの味の組み立てには注意が必要です。

例えば、カクテル「ホワイト・レディー」を作るなら、材料はジン45 ml、ホワイトキュラソー15 ml、レモンジュース15 mlです。ジンそのもののレモンフレーバーや酸味が強いのに酸味の強い果汁を使うと、出来上がりがかなり酸っぱくなります。なので、そういう干渉を避けたい場合はタンカレーとかボンベイを使った方が良いでしょうね。プリマスジンは更に酸っぱいので注意が必要です。

逆に、ストレートや炭酸割りで飲む場合にはこのレモンフレーバーが活きてくるので、ビーフィーターやプリマスが向いていると言えます。果汁を入れなくても十分に楽しめる味になります。

ビーフィーター40度と47度の違い

このグレードのビーフィーターには40度と47度があります。

ビーフィーターには40度と47度の違い
Alc. 香り アルコール感 容量 価格 価格/1 L
40% 700 ml 943円 1347円/1 L
47% 750 ml 1239円 1406円/1 L
1 L換算の計算時にはAlc.を40%に統一している

40度のほうが個性が強く、47度の方が個性が弱い代わりにアルコール感が強い印象を受けます。でもその差は本当に微かなものです。ストレートで飲みたい時は40度を使ったほうがよさそうです。トニック・ウォーターや炭酸に割負けしたくない時やアルコール度数を高めたいなら47度のほうが適しています。

上の表では1 Lの価格にそれほど差がないことが分かります。47度の1239円を単純に750 mlで割ると1652円/ Lとなりますが、これを40度まで薄めると1406円になると計算しています。アルコール度数を基準に考えると、それほど価格差はありません。味の濃さから考えると、個人的には40度の方がお得だと感じます。

キャップと注ぎ口の出来が完璧

あと余談ですが、このビーフィーターのボトルのキャップと注ぎ口の設計が完璧なんですよね。控えめに言って最高です。

キャップはただのアルミ製とは違ってとてもグリップが利きやすいし、注ぎ口はちびちび注いでも液垂れしません。液量の微調整が非常にしやすいんです。世界中のボトルを全てこれにして欲しいくらいの使いやすさです。これを飲み干した後に、違うお酒を移して使いたいほどの逸品です。(ニオイ移りには気をつけて)

プリマス・ジン

プリマス・ジン・オリジナル

Plymouth Gin Original。
1793年以来、ボタニカルズには、ねずの実、コリアンダーシード、オレンジピール、レモンピール、グリーンカルダモン、アンジェリカルート、オリスルートの7種類を使用。

1896年にドライマティーニのオリジナルレシピに使われたジンとする逸話があります。

香りはヨモギ・薬草感が強い、飲んだ印象はまた別モノ

瓶の口やグラスに注いだジンの匂いを嗅ぐと、まるでヨモギのような香りがします。(どのボタニカルズが影響しているのか分かりませんけど)
でも実際に飲んで見ると非常に爽やかな味をしていて、香りとはまた違った印象を受けます。レモンピールがかなり仕事をしているように感じます。

ビーフィーターを洗練したような味

ビーフィーターをdisるような表現ですみません。ビーフィーターも美味しいんです。でもどこか曇った感じがあって、プリマスはそれを払拭したような澄み切った味をしています。

フレーバーも酸味も遥かに強くて、「レモンジュース入ってる?」ってくらいのレモンフレーバーです。レモンが100だとしたら、オレンジフレーバーを20ほど感じます。そして、どこかグレープフルーツのような感じもあります。

ストレート、炭酸割りでも通用する味

メーカーは、このジンの飲み方についてジントニックを推奨しています。

ここに紹介するジンの中では最も酸味・レモン感・爽快感が強く、味もボンベイ・サファイアの次にしっかりとある銘柄なので、トニック・ウォーターでなくても、炭酸割りですら楽しめるような味をしています。

逆に、その個性はカクテルを作る時の足かせにもなりうるので、組み合わせには注意してください。

ボンベイ・サファイア

ボンベイ・サファイア

Bombay Sapphire。
通常のジンの香り付けに使うボタニカルはジュニパーベリーを中心に4~5種類ですが、ボンベイ・サファイアはジュニパーベリーをベースにしてレモンピールやコリアンダーシードなど、世界各国から厳選して集められた10種類のボタニカルを使用しています。
ヴェイパー・インフュージョン(蒸気注入法)という独特な製法を採用することにより、ボンベイ・サファイア特有の深く華やかな香りと味わいを創り出しています。

ヴェイパー・インフュージョン

Vapour Infusion。
気化したスピリッツがボタニカルを通過することで香りをまとわせる製法。

個性はダントツ

ビーフィーター、タンカレー、プリマス、ボンベイ・サファイアの4つを利き酒して、「製法が違うのはどれでしょう?」と質問したら誰もがこのボンベイ・サファイアを選ぶんじゃないかと思うくらい、個性的というか、他とは違った味をしています。実に独特で面白い。

ビーフィーターやプリマスは「レモン果汁混ぜてあるの?」っていうくらいレモン感ありますし、プリマスの香りには「ヨモギ臭」が漂う。こんなふうに表現する言葉がそれなりに見つかるのですが、ボンベイ・サファイアだけはいくら考えても例えが浮かばないんですよね。漠然と「薬草感スゴイ」としか。とにかく独特です。

この独特の薬草感について「まずい」という人もいるみたいです。結局のところ好みの問題かもしれませんが、クセが強いのは確かなので人を選ぶかもしれませんね。でも、私の周囲でも聞いてみたのですが、今のところ「まずい」と言っている人はいません。

レモンフレーバーや酸味は弱め

味は濃くて強いのに、なぜか鼻から抜けるフレーバーはビーフィーターやプリマスジンに比べて明らかに弱いんですよね。

刺激やトゲトゲしさが弱いのでそう感じるのかもしれませんが、レモンやオレンジなどの柑橘の香りがほぼしないのでそれの影響でしょうか。でもレモンピールも入っているはずなんですけどね。鼻から抜ける香りだけではなく酸味もかなり弱いです。

プリマスと比べるとほんの少し苦味が強いです。でもこのほんのりした苦味がまた良い。

個性がありながらも、使い勝手がいい味

柑橘による酸味が少ないので、味の組み立てはしやすいと感じます。
例えば、マティーニでも酸味を抑えられるし、ジントニックでもトニック・ウォーター自体にある酸味を中和してくれる味わいです。既に入っている酸味を取り除くことはできませんが、酸味が足りなければレモン果汁を足せばいいだけですからね。ボンベイにはそういう便利さがあります。

タンカレーもかなりドライで個性が弱めですが、タンカレーほどはドギツくないので、果汁や果実の添え物(いわゆるガーニッシュ)無しのストレートでも楽しめる味をしています。

公式では「ボトルから注いだ瞬間、カクテルと呼べるプレミアム・ジン」という謳い文句が掲げられていますが、まさにその通りです。

まぁもっと言うと、スター・オブ・ボンベイの方が美味しいですけどね。飲み比べた話は下記リンクで↓↓↓

コスパも高い

この4つの中なら、私がこのボンベイ・サファイアが一番好きです。

もっとも安価なビーフィーターと比べると価格はちょっと高いですが、それ以上の美味しさがあります。

ジン

Posted by ろくまる