5000円前後までのおすすめウイスキーのレビュー18選

2018年7月19日

いくつかのウイスキーの味見をしてみました。上の写真のほかにも何本が揃えて、合計でとりあえず18銘柄です。それらについてのレビューです。

写真の半分を占める黒い箱はまとめ買いしたラガ・ヴーリン16年です。飲みかけのコニャック、ヘネシーVSが1本紛れてますが気にしないでください(笑)

また、レビューでは「飲むと頭が痛くなりやすいか」についても触れていますが、これはごく個人的メモ程度にとらえてください。

次の順番で紹介しています。

  • アメリカン・ウイスキー
  • ジャパニーズ・ウイスキー
  • スコッチ・ウイスキー

アメリカン・ウイスキー

ジャックダニエル ブラック

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
ジャックダニエル ブラックアメリカテネシー州アメリカン・ウイスキー40%700 mlNASバーボン

バーボンのうち、テネシー州で生産し、サトウカエデの木炭で濾過をしたウイスキーだけが名乗れる「テネシーウイスキー」の肩書を持つアメリカを代表するプレミアムウイスキーです。

大げさに言うと、バニラ、キャラメルのような香りがほんのりします。ただ値段相応の味がするかというと疑問です。

とは言っても、私はシングルモルト教・スコッチ教でバーボンが好きではないのでこの手のウイスキーを語る資格はないのかもしれません・・・・コーン由来がどうとかではなく、グレーンの味をどうしても雑味に感じてしまうんですよね。

あと個人的に、飲む量が多いと頭痛がします。

でも後学のために一度は味わっておくべきウイスキーであることは間違いありません。

ジャックダニエルといえばフランク・シナトラ、フランク・シナトラと言えばマフィアと仲が良かったという点から捩って、カクテル「ゴッドファーザー」の材料として適しているんじゃないかというお話をされている動画もありました。

これは味がどうとかではなく、ルーツとか人物背景に重点を置いたレシピですけど、こういう視点でカクテルを作るのも面白いですね。

酒は人類にとって最大の敵かもしれない

だが聖書はこう言っている「汝の敵を愛せよ」と

歌手: フランク・シナトラ

Alcohol may be man’s worst enemy, but the bible says “love your enemy"

Singer: Francis Albert “Frank" Sinatra

ジャパニーズ・ウイスキー

竹鶴ピュアモルト

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
竹鶴ピュアモルト日本ジャパニーズ・ウイスキー43%700 mlNASピュアモルト

余市モルト(北海道 余市郡)と宮城峡モルト(宮城県 仙台市)によるピュアモルトウイスキーです。

味にメリハリがあります。香りとコクが強く、余韻もしっかりあって美味しいです。雰囲気としては、ここに紹介しているウイスキーの中でいうとバランタイン12年と最も似ています。

個人的には、沢山飲むと頭痛を起こすことがある銘柄です。(ボウモアほどはキツくはありませんけど)

以前は2500円前後だったと記憶していますが、最近ネットショッピングでは値上がりが酷いです。4000円から5000円超えほどします。2018年6月頃を境にして大きく値上がりしているのを鑑みると、サントリーが響17年と白州12年を販売休止すると発表したことが、他のメーカーや銘柄にまで波及しているためと考えられます。

2000円~2500円ならまだコスパ良いなーくらいでしたが、4000円以上はちょっとありえないですね。それだったらスコッチ買った方が賢明です。

サントリーのウイスキーの価格高騰については、下記のリンクで説明しています。

ピュアモルトとシングルモルトの違い

ピュアモルト

単一、あるいは複数の蒸溜所で作られたモルト(シングルモルト原酒)だけを使用するウイスキー。シングルモルトはピュアモルトの下位概念として一部に含まれる。つまりシングルモルトは必ずピュアモルトでもあるが、ピュアモルトが必ずしもシングルモルトとは限らない。

シングルモルト

単一の蒸溜所で生産したピュアモルトだけを使用するウイスキー。

フロム・ザ・バレル

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
フロム・ザ・バレル日本ジャパニーズ・ウイスキー51%500 mlNASブレンデッド

よくいえばクセがない、悪くいえば個性がないという銘柄です。スコッチのようなピーティーさもありません。(っていうかモルト、グレーンのブレンデッドやし)

Alc.51%の500 mlで2900円程ということは、Alc.40%の700 mlのボトルに換算すると3200円ほどになるのでそこそこいい値段ですが、コスパは少し低いと感じます。
(計算式:2900円÷500ml×700ml÷Alc.51%×Alc.40%)

フロム・ザ・バレル(From The Barrel)は「樽から」という意味。でも、実際に樽から出したものを薄めずにそのまま入れているわけでなく、「割り水を最小限に留め」ているに過ぎません。

一般的なニューポット(醸造するために蒸留した酒=蒸留液)のアルコール度数は60~70%です。竹鶴のニューポットが何%か分かりませんが、60%以上あるならまだしも、40%を51%にしただけで「最小限」と表現するのはいかがなものかと感じてしまいます。

ウリ文句の「(アルコール度数が高いから)炭酸水で割負けしない」にも納得がいきません。

40度のウイスキーを使ったハイボールだと1:4くらいです。ダブルなら60 ml:240 ml。これが「47 ml:253 mlでもアルコール度数が同じになる、ソーダ多くてシュワシュワしやすい!」とメーカーは言いたいんですよね。「で?」って感じですね。

あと瓶が特殊な形をしていてすごく注ぎにくいのが難点です。

余談:以前、フロム・ザ・バレル、ラフロイグ10年、廉価なウイスキーの3種類それぞれを使って、「イチゴと砂糖を使ったアレンジ」を試したことがあります。そちらも併せて読んで貰えればと思います。

白州

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
白州日本山梨県北杜市白州ジャパニーズ・ウイスキー43%700 mlNASシングルモルト

口当たりがとてもまろやかで上品な味がします。ウイスキー好きでこれが嫌いな人はいないんじゃないかというくらいに当たり障りのないバランスを持っています。色味は薄いですが、香り、甘みはとても強いです。

白州に比べると山崎や響は色が濃いですが、味も同じようにコクが強めで濃いです。ウイスキーが苦手な人だとその濃さがガツンと来すぎるので、ストレートで飲むのにかなりの抵抗があるのですが、白州はかなり上品なので苦手な人でもグイッといけるような味です。

もし「贈答品としてハズレにはならなさそうな銘柄ランキング」を作ったとしたら私としては1位ですね。

あと個人的に、頭痛も起こりませんし、スクリューキャップで開閉が楽なのも良い点ですね。若い人だと苦にならないかもしれませんが、コルクキャップって非力な方にとっては結構つらいので。

スコッチ・ウイスキー

バランタイン 12年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
バランタイン 12年スコットランドスコッチ・ウイスキー40%700 mlNASモルト、グレーン

上の概要で地域名を表記していない理由は、バランタインはスコットランドの、次の4地域から集めたモルト原酒、グレーン原酒を40種類以上使用したブレンデッド・スコッチ・ウイスキーだからです。

  • スペイサイド
  • ハイランド
  • アイラ
  • ローランド

多く飲むと少し頭痛がします。

個人的にはグレーンを使ったブレンデッドウイスキーの雑味が好きじゃないです。そんな私でも、コクと甘みがしっかりあって価格の割にはいい味を出しているコスパの高いウイスキーだと感じます。

ジョニーウォーカー グリーンラベル 15年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
ジョニーウォーカー グリーンラベル 15年スコットランドスコッチ・ウイスキー43%700 ml15年ブレンデッドモルト

通称「ジョニ黒」で有名なジョニーウォーカーブラックラベルの上位銘柄です。著名な4つのモルト、

  • タリスカー(地域:アイランズ)
  • リンクウッド(地域:スペイサイド)
  • クラガンモア(地域:スペイ川中流域他)
  • カリラ(地域:アイラ)

を中心にして、熟成年数15年以上のモルト原酒のみでつくられたブレンデッドスコッチウイスキーです。ブレンデッドですがグレーン(トウモロコシ、ライ麦、小麦などを使ったウイスキー)は含まれていません。これはバランタイン12年とは違う点です。

タリスカーやカリラのように、ヨードチンキ臭のするようなスコッチがブレンドされてはいますが、そういった薬っぽいニオイはないので飲みやすいです。

個人的には、ブレンデッドウイスキーは大抵グレーンが使われていてどっちつかずの味になったりするのであまり好きではないのですが、このウイスキーは美味しいと感じる味の複雑さを持っています。モルトのみの使用だからでしょうね。

しかも口当たりは非常にまろやかで甘みを感じます。白州もNAS(Non Age Statement)ながら非常になめらかな口当たりをしますが、これは更に上をいきます。

飲むとちょっと頭が痛くなりやすい銘柄なのですが、「それでも飲みたい」と思えるほどの美味しさがあります。4000円台で買えるならコスパは非常に高いといえます。2018年6月から価格高騰中の白州、山崎、響を無理して買うよりもこちらを買う方がかなり賢明です。

ザ・マッカラン ダブルカスク 12年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
ザ・マッカラン ダブルカスク 12年スコットランドスペイサイド
スペイ川中流域
スコッチ・ウイスキー40%700 ml12年シングルモルト

1824年創業。
ヨーロピアンシェリー樽とアメリカンシェリー樽、2つのシェリー樽を使って熟成させています。色は深い琥珀、金色で美しいです。

マッカランの謳い文句だと、よくこんなふうに書かれています。

クリーミーなバタースコッチ・アップルキャンディー・バニラカスタード

蜂蜜のような甘さにややスパイシーでシトラスのフルーツ感

フィニッシュ:甘く、長い余韻

まぁこういう「ほんまかいな!」っていう大げさな表現はウイスキーあるあるです。でも「アップルキャンディー、蜂蜜のような甘さ、フルーティー」は割とまともに表現できている気がします。(ちょっとだけね)

少なくともフルーティーというのは確かで、アイラモルトみたいな薬っぽさは全然ありません。シーバス・リーガルっぽい大人しさという方が分かりやすいでしょうか。個人的には、飲むと少し頭痛がします。

美味しいですし、とにかく当たり障りがないです。ウイスキーが苦手な人でも飲みやすい味なので贈答用には向いています。

バルヴェニー 12年 ダブルウッド

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
バルヴェニー 12年 ダブルウッドスコットランドスペイサイド
ローゼス
スコッチ・ウイスキー40%700 ml12年シングルモルト

1892年、グレンフィディック蒸留所の隣接地で創業。

バーボン樽で熟成後、さらにシェリー樽に詰め替え熟成させています。

シーバスリーガル12年とかの味に似ています。ナッツのような風味が強く、コクがあるのが特徴です。

スコッチらしいピーティーさはありません。個人的には、飲むと少し頭が痛くなる銘柄です。舌触りもそこそこなめらかで美味しいですが、5000円前後となると少しコスパが悪いと感じます。4000円くらいならまぁいいかなーと思います。

この瓶、液垂れしにくいし、栓の開閉もすごく楽なんですよね。

シーバスリーガル 12年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
シーバスリーガル 12年スコットランドスコッチ・ウイスキー40%700 ml12年モルト、グレーン

モルト、グレーンのブレンデッドスコッチです。アイラモルトのようなスモーキーフレーバーはありません。

変に期待しすぎるとガッカリするので言っておきます。公式サイト等では「バニラとヘーゼルナッツの風味と共に、熟したりんごと蜂蜜の味わいが広がるクリーミーでまろやかな舌触り」みたいな謳い文句がありますけど、この謳い文句はさすが臭すぎるし、飲んでもそこまでの実感はありません。

ナッツのような風味が比較的強いのは確かですけどね。

アバフェルディ 12年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
アバフェルディ 12年スコットランドハイランド
南ハイランド
スコッチ・ウイスキー43%700 ml12年ブレンデッド

1896年創業。「ジョン・デュワー・アンド・サンズ社」が同社のブレンデッドウイスキー「デュワーズ」の原酒となるモルトウイスキーを製造するために建設したのが始まり。

ピーティーさはなく、シーバスリーガル12年やバルヴェニー12年のようなナッツ系の風味がします。

個人的には飲むと頭痛が起こる銘柄というのがいくつかあるのですが、このアバフェルディ 12年は頭痛は無いし、夜に飲んでも寝起きの不快感も無いというのがとても有り難いです。これは私にとって「良い酒」の指標の1つです。

タリスカー 10年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
タリスカー 10年スコットランドアイランズスコッチ・ウイスキー46%700 ml10年シングルモルト

宝島の著者スチーブンソンにKing of Drinks(酒の王様)と評されるほどのシングルモルト。

クールな味がします。爽やかでひんやりした潮風、海流のイメージ。タリスカーの青いパッケージは、このウイスキーの味をうまく表現できていると思います。

味はアイラモルト同様にかなりピーティーです。

全体としてラガヴーリン16年と非常に似ていますが、コクは少し薄い、色も少し薄い、テクスチャー(舌触り、まろやかさ)に若干トゲトゲしさが残っています。でもこれは値段相応ですね。

「タリスカーはラガヴーリンやラフロイグみたいなヨードチンキ臭がしない」との評価も見かけます。私は最初にその2つ(ラガとラフロイグ)を飲んで鼻が慣れてしまったせいなのか、それが事実か分かりませんが、確かに薬っぽい臭いはありません。

個人的には、ラガヴーリンがちょっと高いなーと感じる時に代替として飲んでいる銘柄です。

カリラ 12年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
カリラ 12年スコットランドアイラスコッチ・ウイスキー43%700 ml12年シングルモルト

1846年創業。
カリラ12年はラガヴーリン16年やタリスカー10年に似てる味と香りを持っています。ピーティーでスコッチらしさが強いです。クセの強さとは裏腹に琥珀色はやや淡いです。

しかし、ラガヴーリン16年と比べると香りも余韻も少し弱い気がします。熟成が足りないせいか、辛味・トゲトゲしさが結構強いですし、甘みも少ないです。そのまま、熟成途中のラガヴーリン16年といった感じで、コスパは悪い印象を受けます。そもそもラガヴーリンと比較するのに無理があるのかもしれませんけどね。

これだったら、少しお金を足してラガヴーリン16年(6000円前後)を買うか、いっそタリスカー10年(3000円くらい)を買います。 美味しいには美味しいのですが、コスパを考えるとわざわざカリラを買う理由がそこまで見当たりません。

瓶の形状もキャップもラガヴーリンとほぼ全く同じです。ごくわずかな違いと言えば、ラガヴーリンは側面にISLA 1816と刻印がある。底に一箇所だけスリットの窪みがありますが、カリラにはそれがありません。

このタイプのボトルの口は注ぎにくいというか液垂れしやすいから好きではないんですよね・・・。

ボウモア 12年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
ボウモア 12年スコットランドアイラスコッチ・ウイスキー40%700 ml12年シングルモルト

1779年創業、アイラ島最古の蒸溜所です。「アイラの女王」とも呼ばれます。

一応シングルモルトウイスキーらしいですが、どこかグレーンモルトのような風味も感じます。で、タリスカー10年と結構似ていて、タリスカー10年にグレーンをちょっとだけ混ぜたような感じです。色はやや淡い。

個人的にはこれを飲むとかなり頭が痛くなりやすくて、ここで紹介しているウイスキーでは最も痛くなりやすい銘柄です。

注ぎ口から香りを嗅ぐと、メイプルシロップのような甘い香りがあります。これは結構 明確です。

ピーティーさと同時にナッツのような香りと甘みがあって、シーバス・リーガルのような飲みやすいタイプとタリスカーのような個性的なタイプを混ぜた感じがして、すごく美味しいです。ピート臭はそこそこ強いです。

何口か飲むと、一口目と違う味が加わってくる感じがあって面白いウイスキーです。

アードベッグ 10年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
アードベック10年スコットランドアイラスコッチ・ウイスキー46%700 ml10年シングルモルト

1794年、あるいは1815年に創業。
2008年にシングルモルトとして初めてワールド・ウィスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。

シーバスリーガルなどのナッツ系の香りのするスコッチよりかは断然ラフロイグ系に近いですが、アードベッグ(アードベック)はアイラモルトなのに、ラガヴーリン、カリラ、ラフロイグとは明らかに違いがあって、少し特異な存在だという印象を受けます。

栓を開けた時の香りはライフロイグなどのヨードチンキ臭がするのに、飲んでみると少し違う感じがあって、似た銘柄は見当たらない、かなり独特な味です。

残念ながら私の口には合いませんでしたが、不思議なことにラフロイグが嫌いな知人が「これは美味しい」と言っていました。分からないものです。アイラモルト好きでさえ意見が分かれやすい銘柄ではないでしょうか。

Ardbegの発音はアードベッグ、アードベック?

音声を聴く限りでは明らかに語尾は「k」で終わってて、アードベックなんですよね。

スコットランド・ゲール語由来だからとか、そういうことなんでしょうか。例えばドイツ語だと、バッハの曲でブランデンブルク協奏曲(Brandenberg)とかゴルトベルク(Goldberg variations)とかあって、それぞれ語尾は「g」で終わっているのに「ク」と発音しますからね。

youtubeでの検索結果(How to Pronounce Ardberg)

ラフロイグ セレクトカスク

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
ラフロイグ セレクトカスクスコットランドアイラスコッチ・ウイスキー40%700 mlNASシングルモルト

ラフロイグのシリーズの中では一番好きではない銘柄です。美味しいのは美味しいんですけど、10年やクオーターカスクのほうが好きです。

10年ほどのまろやかさ、重厚さがなくて、クオーターカスクほどクセの強さもないちょっと個性に欠ける、とまではいいませんが、これを買うならラフロイグ10年を買います。

ただし、最近は他の2つが値上がりしているので、コスパは最も高いです。

ラフロイグ クオーターカスク

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
ラフロイグ クオーターカスクスコットランドアイラスコッチ・ウイスキー40%700 mlNASシングルモルト

2006年から登場したシリーズです。「クォーターカスク=1/4の樽」を意味します。樽の容量が1/4なら、容量に対する樽との接触面積は通常の2倍になるので、木の香りを十分に与えることができます。小さい樽で冷却濾過の工程を避けることで、100年前のウイスキーの味に近いとされています。

ラフロイグ 10年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
ラフロイグ10年スコットランドアイラスコッチ・ウイスキー40%750 ml10年シングルモルト

ラガヴーリン16年と並んで好きな銘柄です。とにかくピート臭が強いのと、ドライでスパイシーさがあります。

個人的に、ラフロイグ系では頭痛はありません。

樽にはバーボンのファーストフィル(バーボン・ウイスキーを取り出したばかりの樽)が使用されています。

通常、ウィスキーは加水することで香りが引き立つので味を確かめるにはトワイス・アップ(1:1で割る、2倍に薄める)でテイスティングされます。でもこのウイスキーの場合、ピート香をより強める方法として「一滴だけ水を加える」ことが一部では好まれているそう。でもそれには異議があります。

確かにトワイス・アップにするよりかは、希釈は10~30%に留めたほうが確実に美味しいとは思いますが、「一滴だけ」というのはさすがにありえません。もはやカルトじみた自己満足の世界です。

ラフロイグ10年、セレクトカスク、クオーターカスクの違い

ラフロイグの10年、セレクトカスク、クオーターカスクはかなり似ています。同時に3つを飲み比べてみて分かることは、この3つならラフロイグ10年が一番美味しいことです。

正直いって香りはそこまで変わらないですが、ラフロイグ10年は滑らかさ、まろやかさ、重厚感が他の2つより秀でています。

香りのクセの強さはクオーターカスクが一番強いです。これは小さな樽を使うことで、樽との接地面積が増えているためでしょうね。まろやかさについても、樽との接触面積のお陰か、セレクトカスクよりは若干まろやかに感じます。

でも10年の方がやはり格上です。10年と比べると、クオーターカスクにはベースがないというか、ちょっと出汁が効いていない感じがするんです。浮ついているというか。

セレクトカスクについては3つのなかではあまり好きではないです。美味しいのは美味しいです。

ラフロイグ10年よりもドライ気味で、口当たりもザラッとした感じです。このザラッと感についてはクオーターカスクとそこまでは大差はありません。10年のほうが他の2つより頭1つ出ていると言ったほうが正確かもしれません。

2016年9月以降では結構どこでも10年とかクオーターカスクが値上がり気味なので、今となってはコスパはセレクトカスクが1番高いですね。

ラガヴーリン 16年

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
ラガヴーリン 16年スコットランドアイラスコッチ・ウイスキー43%700 ml16年シングルモルト

普段飲むウイスキーの中では私が最も好きな銘柄です。言わずもがな美味しいです。

アイラモルト独特の味をしています。3000円前後のものに比べると、非常にピーティーで香りも強いのに、舌触りや味はまろやかです。

アイラモルトを飲んだことがない人にピート(泥炭)の香りを説明するのはとても難しいですが、味にはかなりクセがあって燻製みたいなスモーキーフレーバーをしています。日本やアメリカのウイスキーでは絶対に味わえない味です。

これを飲んで美味しいと思うかどうかは極端に分かれます。好きな人は本当に虜になります。

よく、アイラモルトはヨードチンキ臭がすると言われます。確かに、初めて嗅いだ時はそう感じました。でも2回目、3回目以降はそれを感じなくなり、いい匂いに感じてくるんです。不思議と。で、それって「開封したから風味が飛んだのかな?」と思いきや、新しいボトルを開けてもそれを臭いと感じなくなるんです。
なので、最初の臭さを毛嫌いせずに飲み続けるとかなり印象が変わるはずです。

とりあえず1本空けてみてください。それでもダメだったらもう無理かもしれませんね。(笑)

虜になった立場から言うと、アイラモルトは飲んだ瞬間に「これぞスコッチらしさ!」というクセの強さを思わせてくれるところがいいですね。

余韻がとても強いので、飲んだあと暫くは呼気でラガヴーリンの香りが楽しめるほどです。

比較的手に入れやすい価格帯で見ると、他の銘柄の熟成年数が10年~12年なのに対してラガヴーリンは16年で、色が少し濃いのが特徴です。熟成年数の長さのためでしょうか。

「4~6年も熟成期間が長いから値段が高くて当たり前じゃない?」と思われるかもしれませんが、20年クラスになると1万円~1万5千円はザラなので、それと比べるとすごく良心的な価格設定なんですよ。
しかもクオリティーが高いので、コスパも高いです。

とにかく一番好きです。スコッチ好きなら1回で良いから試して見て欲しい銘柄No.1です。入手困難になると困るのであんまり教えたくないんですけどね・・・。