六(ROKU)とスター・オブ・ボンベイを飲み比べたレビュー

2018年9月7日

最近ジンの飲み方を色々試していまして、銘柄の幅も広げたいなーということで六(ROKU)とスター・オブ・ボンベイを飲み比べてみました。

以前、スター・オブ・ボンベイとボンベイ・サファイアを飲み比べたこともあります。そのレビューは下記リンクでどうぞ。

六(ROKU)の味

六を飲んだ第一印象は「あ、柚子の香りがする」です。これはもう明確に香ります。

他にもフレーバーが入っているんですけど一番主張が強いのが柚子です。もうひとつ言うと、従来のジンのような薬草感がかなり弱いです。

いかにも「和テイスト」な味で、日本らしいです。雅というか華やかというか、辛味が少なくてまろやかで、とても爽やかな味や香りがします。

確かに金色の文字で「The Japanese Craft Gin」って表に書いているだけあります。「The」が付いているということは「日本のジンゆーたらコレやで」って主張なんでしょうか。それとも単に日本産を謳っているだけでしょうか。まぁ名乗るだけのクオリティーはあります。とても美味しいですから。

特殊といえば特殊なんですけど、「変わり種」というか「天の邪鬼」的な存在まではいかず、そのラインをちゃんと弁えてかわしたような味ですね。

6つのフレーバー

裏面に描かれた6つのフレーバー
  • Sakura flower(桜花)
  • Yuzu peel(柚子皮)
  • Sencha tea(煎茶)
  • Sansho pepper(山椒)
  • Sakura leaf(桜葉)
  • Gyokuro tea(玉露茶)

ああ、六ってこの6つのフレーバーなのね、と裏面を見て初めて気づきました。

こんなに入ってるのに、正直柚子しか感じられないなんて、自分の舌が憎い。(笑)

確かに柚子以外にも入っていると言われればそうなんですが、じゃあ何が入ってるかって聞かれると、正直答えられません。渾然一体というか、柚子の主張が強いというか。

瓶のデザインが綺麗

側面に6つのフレーバーが彫られた瓶のデザイン

六角柱状の瓶の側面の一面ずつに、6つのフレーバーの材料と漢字の名前が彫られています。瓶の眺めるだけでも楽しめます。

封印の趣が足りない

封印がPPで少し趣が足りない

「この瓶は開けられていませんよー」と保証する封印。別に味とは関係ないんですけど、こういう封印とかの仕様でこだわりとか感じませんか?

勝手ながら、ここはもうちょっと工夫を凝らして欲しいと感じました。スコッチ・ウイスキーだとなかなかカッコイイのが多いんですけどね。

スター・オブ・ボンベイの味

これはボンベイ・サファイアとの飲み比べでも書いた項目ではあるので、以前のレビューを参照してください。使用しているボタニカル等についても触れています。

スター・オブ・ボンベイの味

ROKUとスター・オブ・ボンベイの違い

まず飲み比べて気づいたのは、スター・オブ・ボンベイの印象が、ボンベイ・サファイアと飲み比べた時とは違うということです。比較対象が変わると印象も変わるんですよね。お酒の味って相対的なものですから。

前のレビューではスター・オブ・ボンベイは「すっきりとしていて個性が無いように感じる、喉や鼻にひっかかるような雑味が無い」と言いました。

でもROKUと飲み比べると薬草フレーバーはガツンと来るし、「か~~っ」とするようなスピリッツの辛味がROKUよりも強いし、ザラっと感・雑味はROKUよりほんの少しだけ強く感じます。

こんな風に書くと、ROKU>スター・オブ・ボンベイみたいに聞こえてしまうかもしれませんが、そんなこともないんですよ。

総合すると、ちょっと矛盾したような言い方かもしれませんが、どちらにもちゃんと個性を感じることが出来て美味しいです。

味の組み立てはスター・オブ・ボンベイの方が楽

どちらでもマティーニ、ジントニックなどを作ってみましたが、スター・オブ・ボンベイの方が味の組み立てはしやすいように感じます。

特に、ドラン シャンベリー・ドライでマティーニを作った場合は柚子の酸味とドランの酸味が合わさって、ちょっと酸味が強いように感じました。(このドランというドライベルモットは薬草フレーバーが控えめで、ノイリープラットなどではちょっと薬草フレーバーが強いと感じる人に好まれている銘柄です。)

そもそもノイリープラットに比べてドランの方が味も値段も格付けも上なので同列で比べるのもどうかなーとは思いますが、ROKUならノイリープラット、スター・オブ・ボンベイならドランの方が相性がいいようには感じます。