ザ・ボタニスト(ブルックラディのジン)の味の評価!31種類ものボニタカル使用
アイラ島で生産されているブルックラディのザ ボタニストというドライ・ジン(botanist islay dry gin)を入手しました。試飲、飲み比べをした記録をここに残します。
概要
- ザ ボタニスト
日本語のメーカー公式ページ。
- THE BOTANIST
英語のメーカー公式ページ。
名前 | メーカー | 原産国 | 色 | 導入 | 度数 | 香り |
---|---|---|---|---|---|---|
ザ ボタニスト | ブルックラディ蒸留所(レミーコアントロー) | スコットランド | 無色透明(クイックシルバー) | 2011年 | 46度 | 控えめな薬草 |
アイラ島というと、ラフロイグやラガヴーリンなど、私も大好きなスモーキーフレーバーのスコッチウイスキーを生産していることで有名な島です。そしてブルイックラディ(ブルックラディ)もスコッチウイスキーを製造している蒸留所の1つです。
英語のwikipediaによると、これはアイラ島で作られている2銘柄のジンのうちの1銘柄です。でもブルイックラディの公式ページではアイラ島初にして唯一のドライジン
と謳っています。どっちが本当なんでしょう?
アイラ島にある2つのジン蒸溜所
調べてみると、確かに2つあるようです。
ひとつはBRUICHLADDICHで、もうひとつNERABUS ISLAY GINというのも存在します。アイラ島の中でも、ラフロイグやラガヴーリンの蒸留所がある南東側ではなく、南西側にネラバスというところがあります。
- BRUICHLADDICH
アイラ島初にして唯一のドライジン
- Islay Gin Ltd
(Islay Gin Ltdは、個人経営・家族経営のスコットランド企業で、ヘブリディーン諸島にあるアイラ島でジンを唯一輩出した初めての会社です。)
購入できるショップはエディンバラ(イギリス本島)が紹介されています。でも問い合わせのメールもGmailですし、かなりこじんまりと、本当に家族で製造しているようですね。
えーっと・・・どっちも言ってることが一緒や・・・言ったもん勝ち、みたいな?BRUICHLADDICHのジンが2011年で結構最近なのに対して、Islay Gin Ltdは不明です。
結局どっちが先かはわかりませんが、BRUICHLADDICHは規模がある企業なので、知名度を活かして「唯一にして初」と言い切ってしまえば勝てませんよね・・・。
現地のイギリスより安い
英語版の公式ページに載っている参考小売価格は£34.00(日本円で約5000円)、私が購入した当時の価格は2944円です。(税別)
海外輸入品って大抵価格が高くなる、特に円安だとその煽りをモロに受けるという印象が強いのですが、現地と同じくらいだったり、時には安かったりするんですよね。イギリスのamazonだと£25.00(3,655 円)でした。(£1.00=146.21 円で算出)
31種類のボタニカルズの内訳
ザ・ボタニストには合計で31種類のボタニカルズが使用されています。なんとも贅沢ですね。
その内訳は、ジンの原料として伝統的な9種類のコア・ボタニカルズに加えて、手摘みで収穫したアイラ島に自生する22種類の野生のボタニカルズです。
代表的なボタニカルであるジュニパーベリーも使われていますが、味や香りとして存在感は強くありません。これは他の銘柄のジンと大きく違う点です。
- アイラ島で採取された希少な22種類のボタニカル
アイラ島で採取された希少な22種類のボタニカル No. 学名 英名 和名 01 ARTEMISIA VULGARIS MUGWORT ヨモギ 02 BETETULA PUBESCENS DOWNY BIRCH ヨーロッパダケカンバ 03 CALLUNA VULGARIS HEATHER ヒース 04 CHAMAEMELUM NOBILE CHAMOMILE カモミール 05 CIRSIUM ARVENSE CREEPING THISTLE ヨーロッパアザミ 06 CRATAEGUS MONOGYNA HAWTHORN サンザシ 07 FILIPENDULA ULMARIA MEADOW SWEET シモツケソウ(西洋ナツユキソウ) 08 GALIUM VERUM LADIES BEDSTRAW 河原松葉 09 JUNIPERUS COMMUNIS JUNIPER アイラ島産 野生のジュニパー 10 MELISSA OFFICINALIS LEMON BALM レモンバーム 11 MENTHA AQUATICA WATER MINT ウォーターミント(沼薄荷) 12 MENTHA SPICATA SPEAR MINT スペアミント 13 MENTHA X VILLOSA APPLE MINT アップルミント 14 MYRICA GALE SWEET GAKE OR BOG MYRTLE ヤチヤナギ 15 MYRRHIS ODORATA SWEET CICELY 藪人参 16 SAMBUCUS NIGRA ELDER ニワトコ 17 TANACETUM VULGARE TANSY ヨモギギク 18 TEUCRIUM SCORODONIA WOOD SAGE ウッドセージ 19 THYMUS POLYTRICHUS WILD THYME 野生のタイム 20 TRIFOLIUM PRATENSE RED CLOVER アカツメクサ 21 TRIFOLIUM REPENS WHITE CLOVER シロツメクサ 22 ULEX EUROPAEUS GORSE WHIN ハリエニシダ - 9種類のコア・ボタニカル
9種類のコア・ボタニカル No. 学名 英名 和名 01(23) ANGELICA SYLVESTRIS ANGELICA ROOT アンジェリカの根 02(24) CINNAMOMUM AROMATICUM CASSIA BARK カシア(桂皮、トンキンニッケイの樹皮) 03(25) CINNAMOMUM VERUM CINNAMON BARK シナモン(セイロンニッケイの樹皮) 04(26) CORIANDRUM STIVUM CORIANDER SEED コリアンダー 05(27) JUNIPERUS COMMUNIS JUNIPER BERRIES ジュニパーベリー 06(28) CITRUS LIMONS LEMON PEEL レモンピール 07(29) GLYCYRRHIZA GLABRA LIQUORICE ROOT リコリスの根 08(30) CITRUS SINENSIS ORANGE PEEL オレンジピール 09(31) IRIS GERMANICA ORIS ROOT ニオイイリスの根
学名は見慣れない文字列が多かったので、誤字があったらすみません。
味の総評
落ち着きのある淡麗
シップスミスや、タンカレー・ブルームズバリーなどと比べると鼻から抜ける香りが少し弱いです。これはシトラス系(柑橘類)のオレンジピール、レモンピールが控えめだから、あるいは他のボタニカルが勝っているからでしょうか。
でも味は他の銘柄よりもかなり太くて濃いですし、テクスチャー(舌触り、まろやかさ)がまろやかです。そしてどっしりとしています。
非常に落ち着いていて飲みやすい上品な味をしています。色んなボタニカルズが渾然一体となって調和している、大人の味って感じです。
ベースにトウモロコシやジャガイモ等があまり使われていないんでしょうか?わかりませんが、余韻にはお米のような穀物の風味を強く感じるので、全部、あるいは多くの大麦が使われているんじゃないかなぁと感じますね。その比率について調べてみましたがわかりませんでした。
これはウイスキーでもジンでもウォッカでも同じことが言えます。イモやトウモロコシで作る酒より、大麦や小麦で作った酒のほうが個性、香り、味が強くて美味しくなります。
常にキープしたい銘柄
このザ・ボタニストは本当に美味しいです。私が飲んできた十数種類のジンの中でもトップクラスの美味しさです。特にマティーニで使いたい銘柄として推薦したいですね。
3000円前後のジンの飲み比べについては下記リンクで紹介しています。よかったら併せてお読みください。
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