キングスバリー ビクトリアン・バット・ジンの味の評価とレビュー

2018年10月26日

キングスバリー・ビクトリアン・バット(Kingsbury Victorian Vat Gin)はウイスキーも手がけるキングスバリー社(旧:イーグルサム社)が製造しているジン(蒸留酒)です。

キングスバリー社はスコットランドのアバディーン市を拠点にしています。

概要

概要
名前メーカー原産国導入度数香り
キングスバリービクトリアンバットキングスバリーイングランドごく淡い琥珀色47度薬草/爽やかな柑橘

ジンが流行したビクトリア朝時代(1837年-1901年)、ジンは樽に詰めて世界中へ輸出されていました。キングスバリー社は樽で熟成させる保存方法を復活させ、個性の強いジンを再現しています。

キングスバリー社はスコッチ・ウイスキーを熟成させる際、ニューポット(ウイスキーの原液)を樽ごと購入し、それをシェリー樽の空樽に詰め替えて貯蔵庫で熟成させています。樽のラベルには蒸留年月日、瓶詰年月日、産地、樽の種類、鑑定家の評価が添えられます。

キングスバリーのジンの熟成にはスコッチ・ウイスキーの熟成に使用した空樽が使われます。なので恐らく、シェリー酒の熟成樽→スコッチ・ウイスキーの熟成樽→ジンの熟成樽と転用をしているのでしょう。ジンは12週間から26週間ほど熟成されています。

概要一覧では色はごく淡い琥珀色としていますが、本当に微かで淡い色です。ボトルならまだしも、グラスに注いだらほぼ透明です。

Victorian VatのVictorianは「ビクトリア朝(の)」

Vatは「醸造に用いる大桶(おおおけ)」をそれぞれ意味します。

使用しているボタニカルズ

詳細は不明です。分かっているのは以下の点です。

  • ヨーロッパ産のボタニカルが使用されている
  • ジュニパーベリーはクロアチアかハンガリー産である
  • 一般的なジンに比べてジュニパーベリーが2倍以上使用されている
  • 北アフリカ産のボニタカルも使用されている

ボトルのデザインが変更された

2017年12月前後でボトルのデザインが変更されました。

なので、市場では2種類のボトルデザインが見られます。なぜ名前が一緒でボトルの柄が違うんだろう?と思っていました・・・そういうわけだったんですね。

味や香りの特徴、評価

最初の印象はタンカレーNo.10とよく似ています。爽やかでスッキリした味です。

プリマスなどと比べればどちらも柑橘風味が控えめな銘柄ですが、タンカレーNo.10は比較的 柑橘風味が少し強いのに対して、キングスバリー・ビクトリアン・バットは薬草フレーバーのほうが少し強い印象を受けます。

この薬草の風味はスター・オブ・ボンベイのずっしりとした風味と似ています。でもスター・オブ・ボンベイほどずっしりとはしていません。

商品の説明によると、ビクトリアン・バットには一般的なジンの2倍以上のジュニパーを使用しているとのこと。なので、この重厚感を感じる香りはジュニパーによるものなのでしょうね。

どっちが好きかと言われたら、正直言って悩みます。

タンカレーNo.10との違いは本当に少しだけで、もしかしたら「はい、タンカレーNo.10」と言って飲まされたら、「あれ・・・まぁこんな味だったかな」と思えるくらいすごく似ています。即座に飲み比べたら明確に違うことは分かるんですけどね。

コスパは高い

参考価格は700 mlで2100円。

タンカレーNo.10も少しだけクセが強いですが、代替品として機能するような味や風味を持っています。コスパは非常に高いと感じます。

ビクトリアン・バットも含めて、同じクラスのジン(2000円~4000円程度)の飲み比べたレビュー記事も書きました。よかったら下記リンクを参照してください。

もう少し安い1000円台のジンについては下記リンクで言及しています。