GLENKINCHIE(グレンキンチー)12年の味

2019年2月23日

スコッチウイスキーとしては珍しいローランド地方で生産されているローランド・モルトの1つ、グレンキンチー12年を飲みました。

概要

概要
銘柄原産国生産地域ジャンルAlc.容量熟成年数原料
グレンキンチー12年スコットランドローランドスコッチ・ウイスキー43%700 ml12年シングルモルト
ローランド地方

スコッチランドのうち、北部の山岳地帯ハイランドに対して南部~東部の低地帯のことをローランドと呼ぶ。

(スコッチウイスキーの生産地を6つに分類した地理はこちらを参照してください。)

テイスティングと評価

アイラ系ともナッツ系とも違うノーマル系

多くのウイスキーって大体3種類に分けることができると思うんです。

  • ラフロイグみたいなスモーキー系

  • シーバスリーガルみたいなナッツ系

  • グレンキンチーみたいな素朴系

個性が無いとも言えますし、飲みやすいとも言えます。ただ私の場合、「ゴリゴリに強いフレーバーを楽しみたい」という目的でウイスキーを飲んでいて、特にアイラモルトが好きなので、こういうのを飲むと正直いって拍子抜けするところがあります。

似ている銘柄で多くの人に一番分かりやすい表現としては「サントリーの角みたいな雰囲気がある」と言えばいいでしょうか。クセの強いウイスキーが苦手とか、ウイスキー初心者にとってはすごく飲みやすい銘柄だと思います。

でも少しだけスモーキーな香りもあります。

確かにアイラモルトに比べると圧倒的に弱い香りで、これを単体で飲んでもスモーキーさは感じません。でもグレン・グラント10年のようなフルーティーなウイスキーと飲み比べた時にその香りに気付かされました。

あと、グレン・グラントみたいなフルーティーなウイスキーに比べて、鼻を近づけた瞬間に焼酎とか泡盛に似た香りがフワっとして、2つは違うタイプだなぁーと感じさせられます。

テクスチャーは少し荒い

飲んだ時に舌触りは少しだけザラっとします。他の12年熟成のウイスキーと比べると、アルコールによる刺激が少し強いと感じます。

食前酒に適した風味

メーカーも夕食前の一杯としてまさにうってつけと言っていて、晩ごはんができるまでに食べるおつまみと合いやすい味です。

なぜかというと、胃や口腔内に残った香りが極端なクセがなく、しかもとてもドライで、ディナーの味を邪魔しないからです。

ラフロイグなどのアイラモルトはスモーキーフーレーバーが強く、飲んだ1時間後でもずっと香りが鼻に残りますからね。それはそれで美味しいのですが、個性的すぎて食前酒には向きません。また、ハチミツやナッツのフレーバーを持つ銘柄も甘みがあって食前酒としてはクドイ。そういうことを踏まえると、ドライでスパイシーなグレンキンチーはウイスキーとしては珍しくアペリティフ(食前酒)として有用だと感じます。

おつまみとの相性

また、おつまみと飲む場合はアーモンドやクルミなどのナッツとか柿ピーとかが合いますね。チーズ鱈みたいな香りやクセが強いおつまみだと香り負けする感じがあります。チータラでも美味しいんですけどね。(今こうしてグレンキンチーにチータラを合わせて飲みながら書いてる)

箱の裏書きの内容

箱の裏書きには、何やら英語でつらつらと書いてあります。下のほうに英語の原文も併記しておきますが、要約した内容としてこんな具合です。

グレンキンチー12年に関する記述

  • ドライで洗練された個性を持つこの「エジンバラモルト」は、スコットランドの首都からわずか32 kmのところにありながら自然に囲まれたところで生産されている。

  • ラマーミュア丘陵(Lammermuir)の水源から水を引き出し、オーク樽で12年間熟成させている。(記述には無いが、昔はキンチー川の水を直接使用していたが、水質汚染の懸念により今の水源を利用するようになった)

  • 香りの滑らかさはクリーミーなレモンチーズケーキを彷彿とさせる。

  • ハーブ風味の仕上げでアペリティフ(食前酒)に適している。他にも、スモークフィッシュ、寿司、ホタテ貝とも相性が良い。

グレンキンチー蒸留所に関する記述

  • ジョージとジョン・レートは1837年に蒸留所を設立。

  • 60年後に再建し、スコットランド最大の2つの素晴らしい銅のスチルポットを所有している。

  • 現在、グレンキンチーはローランド地方に現存するたった3つの蒸留所のうちの1つ。

裏書きの原文

GLENKINCHIE 12年の箱の裏書き

A dry, refined character born just twenty miles from Scotland’s capital naturally makes GLENKINCHIE “The Edinburgh Malt". Its aromatic smoothness brings to mind cut flowers and creamy lemon cheesecake.

Crisp and focused, with a herbal, drying finish, this is an ideal apéritif and partner to smoked fish, sushi or scallops.

George and John Rate founded the distillery in 1837. Rebuilt sixty years later, it boasts two great copper pot stills, among Scotland’s largest. Today, Glenkinchie is one of just three distilleries to survive in the Lowlands, drawing its water from a source in the Lammermuir Hills, and ageing its spirit for 12 years in oak casks.

Whether it’s Glenkinchie amid the rolling barley fields of the south or Talisker on the far sea coast of Skye, each Classic MaltTM is true to its origins, distilled in the same way and in the same place as always.

Yet this is not enough. Each Classic MaltTM is selected for its origin, indeed, but above all for its taste. Whichever Classic MaltTM you select, you taste Scotland’s finest malt whisky.

  • DALWHINNIE Highland
  • CRAGGANMORE Speyside
  • TALISHER Skye
  • OBAN West Highland
  • LAGAVULIN Islay